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平成27年度決算特別委員会−09月30日

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  1. 港区議会 2015-09-30
    平成27年度決算特別委員会−09月30日


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-21
    平成27年度決算特別委員会−09月30日平成27年度決算特別委員会  平成27年度決算特別委員会速記録(第5号) 平成28年9月30日(金) 午後1時開会 場  所  第3・4委員会室 〇出席委員(33名)  委員長   大 滝  実  副委員長  鈴 木 たかや       林 田 和 雄  理  事  山野井 つよし       小 倉 りえこ        ちほぎ みき子       阿 部 浩 子        二 島 豊 司       七 戸  淳        清 原 和 幸  委  員  玉 木 まこと       榎 本 あゆみ        兵 藤 ゆうこ       丸山 たかのり        池 田 たけし       黒崎 ゆういち        赤 坂 大 輔       榎 本  茂        横 尾 俊 成       清 家 あ い        やなざわ 亜紀       有 働  巧        土 屋  準        いのくま 正一
           杉 浦 のりお       なかまえ 由紀        近 藤 まさ子       池 田 こうじ        熊 田 ちづ子       風 見 利 男        杉本 とよひろ       うかい 雅 彦        井 筒 宣 弘 〇欠席委員(1名)  委  員  ゆうき くみこ 〇出席説明員  区 長               武 井 雅 昭  副区長                    田 中 秀 司   副区長               小柳津  明  (企画経営部長事務取扱)  芝地区総合支所                    上 村  隆  区民課長  麻布地区総合支所長                    青 木 康 平  保健福祉支援部長兼務  麻布地区総合支所                    木 下 典 子  区民課長  赤坂地区総合支所長                    安 田 雅 俊  産業・地域振興支援部長兼務  赤坂地区総合支所                    沼 倉 賢 司  区民課長  高輪地区総合支所                    小野口 敬 一  区民課長  芝浦港南地区総合支所長                    浦 田 幹 男  子ども家庭支援部長兼務  芝浦港南地区総合支所副総合支所長            芝浦港南地区総合支所                    亀 田 賢 治                     若 井 世台子  芝浦港南地区総合支所管理課長兼務            区民課長  保健福祉課長            西 田 京 子   地域包括ケア福祉施設整備担当課長 鈴 木  健  高齢者支援課長           茂 木 英 雄   介護保険課長            小 笹 美由紀                              生活福祉調整課長  障害者福祉課長           加 茂 信 行                     伊 藤 忠 彦                              芝地区総合支所生活福祉担当課長兼務  国保年金課長            大 原 裕美子  地域包括ケア福祉施設整備担当部長 所   治 彦  子ども家庭課長           長谷川 浩 義   保育担当課長            増 田 玲 子  保育・児童施設計画担当課長     松 井 義 人   子ども家庭支援センター所長     保 志 幸 子  企画課長              野 上  宏  区長室長              新 宮 弘 章   財政課長              湯 川 康 生  会計管理者                    奥 野 佳 宏  (会計室長事務取扱) 〇出席事務局職員  区議会事務局長     北 本  治    次  長        河 本 良 江                                          ほか                 午後 1時01分 開会 ○委員長(大滝実君) ただいまから本日の委員会を開会いたします。  本日の署名委員をご指名いたします。赤坂大輔委員、榎本茂委員にお願いいたします。  本日、ゆうき委員から欠席届が出ておりますので、ご報告申し上げます。  この際、傍聴者の方にお伝えいたします。委員会の撮影・録音を希望される方は、あらかじめ申込書にご記入の上、ご提出ください。なお、撮影・録音は申し出が許可された後にしていただきますようお願いします。  本日の審議は、民生費終了までを考えております。終了時刻は午後5時45分ごろを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。     ─────────────────────────────────── ○委員長(大滝実君) これより、審議に入ります。  前日に引き続き、歳出第4款民生費の質疑を行います。  初めに、兵藤委員。 ○委員(兵藤ゆうこ君) 質問に入る前に、このたび、前港区議会議員、樋渡紀和子様のご逝去の報を受けまして、これよりご冥福をお祈り申し上げます。人生の大先輩として非常に尊敬する方でありました。心から哀悼の意を表します。  それでは、質疑に入らせていただきます。共生社会の実現に向けた区の取り組みについてです。これは地方の例ですけれども、全国一律で縦割りになっている高齢者、障がい者、子供向けの福祉サービスを地域全体で一体に支える地域共生社会の実現を目指し、厚生労働省が検討を始めました。  富山県の実例を挙げると、富山型デイサービスというデイサービス施設で、障がい者の在宅支援サービスや乳幼児の一時預かり機能も担うことになっています。ここでは高齢者が赤ちゃんをあやしたり、介護度の重い高齢者の手を子どもが洗ったり、お互いに支え合うとしています。障がい者が高齢者の昼食を配膳することもあり、ボランティアも加わり、集うことで自然と役割が生まれてくるとのことです。このような縦割りのサービスを地域全体で支える地域共生社会の取り組みは、今後の港区の福祉の提供ビジョンとして、ぜひ検討していただきたいと考えます。  港区では、平成37年度をめどに、地域包括ケアシステムを構築していくとしています。地域包括ケアシステムに関しましては、昨日も自民党議員団の小倉委員もお話しされていて、ほかの委員もいろいろと提案されておりますけれども、人口減少やサービス提供の担い手が減少していく地方とは異なり、港区では平成48年をピークに人口が増加し、その後も横ばいが見込まれると推計されています。高齢化率については、平成37年の時点で約16%、平成47年の時点で約19%と増加を続け、平成72年の時点では25%にもなると推計されています。港区では人口減少がさほど見込まれない中、高齢者が多くを占めることとなり、特に地域包括ケアシステムとして、高齢者の生活を支える仕組みの構築が急がれるものと考えます。  そこでお伺いします。港区は平成37年度までに高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられる地域包括ケアシステムの構築を目指していますが、今後、モデル事業を実施し、どのような課題に対し、どのように対応していく予定なのか、お伺いいたします。 ○地域包括ケア福祉施設整備担当課長(鈴木健君) 地域包括ケアシステムの来年度のモデル事業では、在宅療養する高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、在宅医療と在宅介護が切れ目なく提供される体制づくりの一環としまして、容態急変時等に入院できる病床の確保や在宅医療について、区民や介護事業者などからの相談に応じ、在宅医療や介護サービスの紹介や調整を行う相談窓口の設置を予定しております。また、医療と介護が密接に連携するための情報共有のあり方や区民への在宅医療介護の普及啓発活動など、高齢者の在宅療養を支えるための事業を実施してまいります。本格実施に向け、モデル事業の検証を行い、港区にふさわしいよりよい地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいります。 ○委員(兵藤ゆうこ君) きのうも細かい要望がされておりましたけれども、在宅医療ということで課題が山積みだと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。  続きまして、サービス付き高齢者向け住宅についてです。東京都では、平成26年12月に東京都長期ビジョンを策定し、高齢者の多様なニーズに応じた住まいを確保するため、サービス付き高齢者向け住宅等を平成37年度末までに2万8,000戸、整備するとしています。東京都はサービス付き高齢者向け住宅等について、地域包括ケアシステムの考え方を踏まえ、地域住民へ貢献できるよう地域密着型サービス事業との連携等により供給拡大を図るとしています。  東京都の推計によれば、高齢者の単身世帯や夫婦のみ世帯の増加の見込みは、東京都内において、高齢者の単身世帯では、平成27年に約78万世帯であるところ、平成47年には約104万世帯と33%もの増加が見込まれています。特に要介護認定率の高い75歳以上の高齢者人口については、平成27年には約147万人のところ、平成47年には約203万人と、こちらも約38%もの増加が見込まれております。  一方で民間の賃貸住宅の供給事情ですが、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が行った調査によれば、入居にあたっての制限を行っている家主の割合は15.8%となっており、その内訳として、53.1%が単身の高齢者は不可と回答し、44.8%が高齢者のみの世帯は不可と回答がされ、依然として高齢者に対して入居制限が行われている状況があります。  港区の高齢者人口は、平成28年では前期高齢者が2万1,960人、後期高齢者が2万1,588人に対し、平成31年には後期高齢者人口前期高齢者人口を上回ると港区人口推計において推計されています。さらに高齢化が進む港区でも、高齢者が住まいへの不安を抱くことなく、慣れ親しんだ地域で周囲とのつながりを保てる住まいであるサービス付き高齢者向け住宅の供給が今後より一層進むことが望まれます。また、高齢者人口の増加に伴い、要介護認定者も今後増加が見込まれており、高齢者が見守りの中で暮らし続けられるサービス付き高齢者向け住宅の需要もさらに高まっていくと考えられます。  そこで質問ですが、港区の今後の高齢者人口の見通しを踏まえ、港区による供給促進の取り組みが必要と考えますが、今後の整備予定について、お伺いいたします。 ○地域包括ケア福祉施設整備担当課長(鈴木健君) 区では、高齢者が将来、医療・介護を必要とした場合でも、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう民間の活力を活用し、安否確認・生活相談等のサービスを提供するサービス付き高齢者向け住宅の確保を推進しております。現在、区営住宅シティハイツ六本木の改築に合わせて、平成29年度秋ごろの開設を目指し、サービス付き高齢者向け住宅30戸の整備を進めております。今後も高齢者人口の増加を見据え、サービス付き高齢者向け住宅の供給促進に向け、大規模開発の際の付置要請等、民間事業者による整備の働きかけを行ってまいります。 ○委員(兵藤ゆうこ君) そうですね。私はサービス付き高齢者向け住宅の件、特別養護老人ホームの件などもずっと質問させていただき、本当にいろいろな方からも不安の声を聞きますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。  最後に、知的障がい者の災害時避難行動要支援者名簿の登録要件の見直しについて、お伺いいたします。港区は災害時にみずから避難することが困難で、円滑かつ迅速な非難を支援をする方を対象に災害時避難行動要支援者名簿を作成して、災害時の安否確認や避難行動の支援等を行うとしています。危険を察知しづらい、危険に対して適切な行動がとれないなど、ハンディキャップを抱えている区民に対する支援です。  港区の災害時要配慮者対策のパンフレットには、愛の手帳1・2度でひとり暮らしの方とありますが、愛の手帳1・2度は、重度知的障がい者であり、ひとり暮らしが困難と思われると知的障がい者団体から指摘があり、登録要件の見直しが求められています。  そこでお伺いいたします。愛の手帳1・2度で、ひとり暮らしの方の登録要件の見直しの要望に対して、区の対応をお伺いいたします。 ○障害者福祉課長(加茂信行君) 現在、災害時避難行動要支援者名簿の登録対象者は、知的障害者について、愛の手帳1・2度を所持するひとり暮らしの方としています。住民基本台帳に記録されている方で、この要件に該当する障害者は区内に3名いらっしゃいますが、区内の知的障害者のご家族からは重度の知的障害者の生活実態に即した表現になっていないのではないかとのご指摘をいただいております。こうしたご意見を踏まえるとともに、災害発生時にみずから避難することが困難な障害者に対し、円滑かつ迅速な支援策を確保していく観点から、現在、災害時避難行動要支援者名簿の登録要件の見直しを平成28年10月を目途に進めております。 ○委員(兵藤ゆうこ君) 引き続きよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ○委員長(大滝実君) 兵藤委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(大滝実君) 次に、池田たけし委員。 ○委員(池田たけし君) 民生費では、初めに福祉避難所について、お伺いをいたします。  厚生労働省のホームページには、福祉避難所の概念として、次のように記されております。福祉避難所とは、既存の建物を活用し、介護の必要な高齢者や障がい者など、一般の避難所では生活に支障をきたす人に対してケアが行われるほか、要援護者に配慮したポータブルトイレ、手すりや仮設スロープなど、バリアフリー化が図られた避難所のこととあります。  港区の介護の必要な高齢者、つまり、平成27年度の要介護1から5の認定者数は6,271名で、特別養護老人ホームは、現在729所ございますが、入所者を除くと在宅要介護者は5,542名となります。そして、福祉避難所は、特別養護老人ホーム高齢者在宅サービスセンターなど19カ所で、受け入れ可能人数は1,394名となっております。したがって、4人に1人の方が福祉避難所に避難できることになります。  一方、障がい者は、身体・知的の障がい手帳保持者だけで合計5,890名、施設入所者142名を除くと、在宅要介護者より約200名多い5,748名となります。福祉避難所は、障害者保健福祉センターと新橋はつらつ太陽の2カ所で、受け入れ可能人数は150名です。実に福祉避難所に避難できる障害者は38人に1人となります。この現状だけを見ても、障がい者の福祉避難所が極端に少ないことがわかります。さらに、精神障害者保健福祉手帳保持者は1,293名です。このほか手帳を取得していない多くの精神・発達障がい者も含めますと、おおよそ50人に1人と言っても過言ではない状況であります。  発達障がいの特徴・特性はさまざまですが、コミュニケーションがとりにくい、周囲の変化や音・光に過敏、日常と異なる状況に不安や恐怖を抱く、感情を抑えられず、じっとしていられないなど、熊本地震の際にも、一般の避難所で生活ができず、壊れかけた自宅や車の中で大変厳しい避難生活をしていた様子が多々報道されておりました。港区では、火災の延焼が少ない残留地区内居住の障がい者も多いと思われますが、高層階での揺れを体験した場合、自宅にとどまることができない可能性が大きいと思いますので、この点からも福祉避難所の拡充が必要と思われます。  そこで質問は、港区での障がい者を対象とした福祉避難所の拡充が必要と考えますが、発達や精神障がい者を含めた障がい者の福祉避難所について、どのようにお考えか、見解をお尋ねいたします。 ○障害者福祉課長(加茂信行君) 障害者を対象とする福祉避難所については、これまで障害保健福祉センターと新橋はつらつ太陽を指定しており、災害時はそれぞれの施設の職員と連携を図ることで区民避難所での生活が困難な障害者を受け入れる体制の整備に努めてきました。さらに、発達障害や精神障害など、個々の障害特性に応じた、きめ細かな対応ができるよう、区内で障害福祉サービスを提供している事業者と協定を結んでおり、災害時には福祉避難所での障害者の支援を行うこととしております。  また、ことし4月に精神障害者地域活動支援センターあいはーと・みなとに指定管理者制度を導入したことに伴い、当該施設の職員が災害時には区の指示に基づき、精神障害者の支援を行うこととなりました。今後、平成32年3月に南麻布四丁目に開設予定の障害者支援施設を福祉避難所として指定することとしておりますが、障害者の数の増加や災害時の被害状況に、より迅速かつ柔軟に対応できるよう、福祉避難所の運営に必要となる専門スタッフの確保や必要な設備を整えることを含め、障害者を対象とした福祉避難所の拡充について検討してまいります。 ○委員(池田たけし君) ありがとうございます。ただいま、拡充についての前向きなご答弁をいただきましたが、今後は、あいはーと・みなとの建て替えも予定しておりますので、ぜひ福祉避難所機能を持たせていただくということで要望いたします。
     また、熊本地震におきまして、熊本学園大学の避難所開設が大変に評価をされました。避難所として指定はされていませんでしたが、障がい者たちの要請を受けて、地域住民だけでなく、障がい者の受け入れを最初の地震から2日目に開設をしました。そして、このニュースに被災した障がい者の避難生活を心配する全国の障がい者やその家族、関係者たちは一筋の光明を見出した思いでした。区内の障がいのある方々を思うとき、区有施設だけでなく、区内の特別支援学校や大学等も視野に入れ、福祉避難所の設置運営に関して、協定を進めるべきと考えます。この点につきましては、総括質問にて区の見解をお伺いいたします。  続きまして、介護者サービスについて、お伺いいたします。  厚生労働省の発表による平成26年の日本人の平均寿命は、女性が86.83歳で3年連続の世界第1位、男性が80.5歳で前年の世界第4位から上がり、第3位となっております。高齢者人口について、厚生労働省の平成27年推計では、65歳以上の方が3,395万人で人口比26.8%、75歳以上が1,646万人で13%、団塊の世代が後期高齢者となる平成37年では、65歳以上が3,657万人で30.3%、75歳以上が2,179万人で18.1%となり、約10年後の平成37年まで増え続ける予測となっています。  高齢になってからも人生を健康で生き生きと過ごしたいと思うものですが、認知症、脳血管障害、運動機能障害などは誰の身にも起こり得ることでございます。その結果、体に麻痺が残り、寝たきり、半身不随、拘縮となり、誰かの手を借りて日常生活を送るなど、介護が必要となってきます。  内閣府の調査では、万が一治る見込みのない病気になった場合、最期はどこで迎えたいかとの問いに、自宅と答えた人が約半数に上っております。また、厚生労働省のアンケートによると、介護を受ける状態になったときには、自宅や子ども、親族の家での介護を希望すると答えた人が4割を超え、さらに自宅で療養し、必要になったときに医療機関を利用したいとした人を加えると6割以上となります。  自宅での家族による介護療養を選択、希望する理由はどこにあるのでしょうか。それは人が社会性を重んじ、自身の尊厳を大切に思うからです。社会性とは、親しい友人・知人が近くにいる、住み慣れた環境である自宅で家族とともに暮らしながら介護を受けること。自身の尊厳とは、体調などに合わせ、起きる時間や食べる物、やりたいことなどをみずからが決め、自分らしく生活する自由を持つことです。確かに介護のための設備が整った施設には、資格や経験を持った専門家により24時間見守られ、介護サービスが提供されるといったメリットがあります。しかし、これまで築いた人間関係が切れてしまうことや集団生活とならざるを得ないことに心に喪失感を感じ、人とのつながりと自分らしさを優先して、選択されるようです。  しかし、本人の思いとは別に、認知症や機能障害で寝たきりなどの高齢者を在宅で介護する家族、介護者の心身の疲弊の現状は筆舌に尽くしがたいものがあります。日々の生活が介護中心の生活となっております。高齢化社会ならではの老老介護、そして、その介護疲れによる痛ましい事件は社会問題となってきております。高齢者問題を研究する日本福祉大学の湯原悦子准教授は、平成10年から平成24年までの14年間に主要な新聞で報道された介護疲れにより殺人に至ってしまった事件数を集計しました。結果、夫婦や親子といった親族間で少なくとも550件の事件が起こり、558名の命が失われていることが判明したと述べています。そこまで至らずとも、働き盛り世代の介護による離職、それによる貧困、ひいては家庭の崩壊へと連鎖してしまう実態も見逃せません。  この急務の事態に備え、国でも育児・介護休業法が介護者に沿った柔軟な対応をとり、改正されて制定・施行されます。在宅療養は、何よりも家族を思う介護者の愛情が根本ではありますが、それには限界があります。在宅介護の現場、つまり、一般の家庭に公的なさまざまなサービスの手を差し伸べなくてはなりません。  これに対応し、新宿区においては、介護者リフレッシュ支援事業が行われております。65歳以上で認知症または要介護1以上の方を在宅で介護されているお宅へ1時間数百円の負担で家事援助や食事介助、排せつ介助などの身体介護を行うヘルパーを派遣します。利用時間は9時から17時で、状況により1年間で6時間から24時間での利用ができます。つまり、ヘルパーが自宅に来て、家事や介護を交代し、介護者が日中のまとまった時間を自由に使うことができるようになる支援サービスです。これにより冠婚葬祭への出席や友人との待ち合わせ、小旅行など、介護により後回しにしてきた介護者自身の日常生活がリフレッシュされます。また、新たな思いで家族の介護に取り組むための、ひと休みの機会が提供されます。  そこで質問は、介護者のリフレッシュなど、日常的に介護を行う家族介護者の身体的、精神的負担の軽減につながる取り組みを進めていくべきと考えますが、区の考えをお伺いいたします。 ○高齢者支援課長(茂木英雄君) 区では介護者の負担軽減を図るため、平成23年4月からありすの杜きのこ南麻布において、認知症高齢者を一時的に受け入れる認知症高齢者介護家族支援事業を実施しております。また、平成23年7月から芝高齢者在宅サービスセンター及び平成27年7月から台場高齢者在宅サービスセンターにおいて、デイサービスから引き続き宿泊ができる高齢者宿泊デイサービス事業を実施しております。認知症高齢者介護家族支援事業につきましては、平成27年度に延べ6名で66日の利用があり、また、高齢者宿泊デイサービス事業につきましては、平成27年度に延べ270名で382日の利用がございます。また、介護者の負担軽減を図るため、認知症高齢者とその家族が気軽に参加できる、みんなとオレンジカフェや介護家族の会を実施しており、介護で苦労されている家族の皆さんの交流の場や介護や認知症に関する知識の習得の場として、ご利用いただいております。今後も高齢者が住み慣れた地域で在宅生活が継続できるよう、介護者の支援に努めてまいります。 ○委員(池田たけし君) ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。  少し時間がございますので、思うところをお話しさせていただきたいと思います。今回は人・人材という観点でさまざまに質問させていただきました。組織も社会も当然、人で形づくられております。人といいますと、我々すぐに区民、在勤者、来街者を思い浮かべるわけでございますけれども、区職員の存在も大変に大切であろうと思います。今回、避難所を取材させていただきまして、災害が起こったとき、自分は現場に行けるだろうかということで、お休みの日に歩いて行ってみた、試してみたという方がいて、お話を伺って立派だと思いました。  それで思い出しましたのが3・11の東日本大震災、5年半前のことでございます。私も、そのときは世田谷の病院で事務職員で働かせていただいておりました。7キロメートル先に品川のビルが見えますが、その上から炎が見えて、大変なことになったと。おそらく自家発電のタンクに火が入ったということだと思うのですけれども。  自分の院内の安全確認をしておりましたところ、病院の周りに寮がございまして、看護師が駆けつけてくださいました。交通が途絶えて、電車がとまっているから夜勤者が来られるかどうかわからないので、人数が足りなければ自分がこのまま夜勤に入って働きますとおっしゃっていただきました。そのけなげな態度といいますか、寮に入っていますから、それは当たり前といえばそうかもしれませんが、その思い、非常に感動いたしまして、白衣の天使という言葉はありますけれども、それ以上に菩薩のように私には思えたわけでございます。どっちが上なのかわかりませんけれども。来てくれた看護師の中には、ふるさとが東北の方もいらっしゃいました。実家が震源地とわかっていながら、今、自分のいる場所で、今なすべきことだと精いっぱい働いた。責任感がございました。いざというときにこそ、人の真価が出るものだと思っております。  翻って、港区で唯一ウイークポイントがあるとすれば、それは家賃が高いことではないかと思います。一般サラリーマンの収入からみれば、かなり差があるのではないかと。また税務の資料などを見ますと、港区のお住まいの方の平均の年収は1,000万円と出ているということでございます。そうしますと、先ほどの話ではないですけれども、介護職あるいは保育士、こういった方々の人材の確保、また継続的な勤務は喫緊の課題でございます。家賃の補助といったこともございますが、職員の寮が整っていればいいのかと思っております。  区内の中を見渡しますと、例えば挙げてしまいますと、都営芝五丁目アパートの1号棟2階は、以前、東京都職員の寮であったところがあって、非常に古くて、お風呂が共同といったところでございます。こういったところの整備、あるいはまた三田図書館の跡地といったものも、どうか人を中心に視野に入れて整備をしていただくよう、お考えいただければということを思い出しまして、お話をさせていただきました。  以上で質問を終わります。 ○委員長(大滝実君) 池田たけし委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(大滝実君) 次に、熊田委員。 ○委員(熊田ちづ子君) それでは、生活協力員について、最初に質問いたします。  2016年第2回定例会の一般質問で生活協力員の過重労働の実態と処遇改善問題を取り上げました。生活協力員が配置をされている高齢者住宅は、区立・都立を含めて12施設あり、協力会員の数は18名ですが、欠員になっているところが5施設で6名です。港区シルバー人材センターや委託業者の直接雇用で昼間だけ通いで通っています。2016年第2回定例会の区長答弁でも、入居者の高齢化に伴い、居住者の日常的な見守りや入院に伴う支援状況等の確認が多くなっている状況ですと認め、生活協力員が役割を適切に果たせるよう、生活協力員の業務実態の現状を把握すると答弁をされました。  業務実態調査は、いつ、どのように行うのか。港区高齢者集合住宅の生活協力員に関する要綱で定めてある生活協力員連絡会議が2011年から開催されてないことも明らかになりました。開かれていなかった原因と今後の対策について、答弁をお願いいたします。 ○高齢者支援課長(茂木英雄君) 区では区立高齢者集合住宅及び都営シルバーピア等における生活協力員を社会福祉法人への委託により配置しております。生活協力員の業務実態については、平成28年7月に受託法人を対象としてヒアリングを実施しました。また、生活協力員は各受託法人の職員であることから、受託法人と協議した上で生活協力員本人に業務実態について、平成28年11月にアンケート形式での調査を行う予定でございます。  また、生活協力員連絡会議につきましては、生活協力員が日常的に業務を離れることが難しく、また夜間の開催も家庭の事情等から会議への参加が難しい状況であったことから、開催の機会を逸しておりました。今年度は11月に生活協力員連絡会議を開催する予定で準備を進めております。今後は生活協力員連絡会議を定期的に開催するとともに、受託法人と連携しながら生活協力員が参加できない場合には、アンケート調査や区職員の聞き取り調査をあわせて実施してまいります。 ○委員(熊田ちづ子君) これから実質アンケートをとり、調査は入るということです。それはもうぜひ、きちんとやっていただきたいと思います。生活協力員連絡会議がきちんと開催をされていれば、生活協力員から直接の実態や高齢者の状況なども聞けて、もっと早くに私は対策がとれていたのだと思うのです。生活協力員たちがなかなか継続できなくて辞めていくという実態をなるべく早くするためにもきちんとやっていただきたい。この状況は、区の責任を曖昧にして、委託業者任せでこれまで来ていたということのあらわれだと思いますので、ぜひきちんとやっていただくようお願いします。  1990年に策定されました港区高齢者集合住宅の生活協力員に関する要綱の全部改正が、2001年に行われています。それから15年が経過をしており、入居者の高齢化、高齢化に伴う社会的な状況の変化、安否確認、生活支援、緊急時の支援等々、状況は大変大きく変わって、変化をしています。本来の目的に合った生活協力員の業務が果たせるよう、現状に合わせた見直しもすべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○高齢者支援課長(茂木英雄君) 生活協力員の業務は、安否確認業務、緊急時対応業務、生活支援業務、相談業務、報告業務、その他の業務としまして、入居者相互のコミュニケーションの促進や団らん室の管理としております。生活協力員の業務は、入居者の高齢化に伴い、居住者の日常的な見守りや入院状況等の確認が多くなっている状況です。今後、生活協力員連絡会議、アンケート調査の結果や他の自治体の取り組みなどを踏まえ、生活協力員が居住者への生活支援等の役割を適切に果たせるように努めてまいります。 ○委員(熊田ちづ子君) 今、高齢者支援課長がるる述べていただいたように、ただ人がいればいいという役割ではないということだと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。  次の質問です。地域子ども・子育て支援事業について、育児サポート事業の子むすび、この事業について質問いたします。  育児サポート子むすびは、港区社会福祉協議会に委託をしています。育児の支援を行いたい方、協力会員と育児の支援を受けたい人、利用会員がそれぞれ港区社会福祉協議会に登録し、支援を受けています。有償ボランティアの位置づけで、1時間800円支払って、保育園の送り迎え、保育時間外や休園日に預かるなど、働く子育て世代を支援しています。支援を必要とする利用者会員は増える一方で、支援する側の協力会員は増えていません。2015年から港区子ども・子育て支援事業計画の中で子育て援助活動支援事業として位置づけをされ、確保策の方針としては、増加する利用の見込みを確保するために研修会など充実し、協力会員の質を落とさずに人数を確保していきますとなっています。  港区子ども・子育て支援事業計画策定時に行ったアンケート調査では、子どもを見てもらえる親族や知人の有無の問いに、いずれもいないと答えた方が25.6%と2番目に高い回答になっています。これは核家族化が進む港区の特徴でもあり、この育児サポート子むすびが求められる結果でもあると思います。ところが残念なことに、港区社会福祉協議会の育児サポート子むすびの実績を見ると、昨年度は利用会員1,606名で、うち新規の会員が447名に対し、協力会員は224名で、新規は43名です。今年度は8月末現在で利用会員は1,646名と既に昨年度を上回っています。協力会員は197名で新規会員はゼロです。今年度は事務局やサブリーダーが利用会員と協力会員とをうまくマッチングできないなど、お断りしているケースもたくさんあるそうです。利用者の需要に応えられるよう、協力会員を増やすべきです。  2点目は、協力会員になるための研修時間や内容が、今年度から一時預かり事業や派遣型の保育事業など、一緒の子育て支援員研修となって、研修時間も大幅に増えました。研修を受けることで協力会員の安心感につながることは評価できますが、協力会員が増えなければ、利用会員の需要に応えることにはなりませんし、この事業そのものが成り立たなくなります。2016年5月に行った研修で、38名が育児サポート子むすびの協力会員のための研修を受講していますが、協力会員の登録をされた方は3名のみとのことです。なぜこれが登録に結びついていないのか疑問です。受講者には、研修の目的、育児サポート子むすびを理解してもらい、協力会員の増加につながるよう改善をすべきだと思います。3点目、区が責任を持って、研修事業者、社会福祉協議会とも早急に協議をすべきです。答弁をお願いします。 ○子ども家庭支援センター所長(保志幸子君) 育児サポート子むすびは、地域子ども・子育て支援事業において、大変重要な事業であり、協力会員を増やしていく必要性を十分認識しております。事業者である港区社会福祉協議会でも、昨年度は区立学校にご協力いただいて、チラシを配布するなど努力しておりますけれども、毎年40名ほどの増加にとどまっているのが実情です。  区では、本年度より港区子育て支援員研修を開始いたしまして、育児サポート子むすびに協力会員として登録するには、港区子育て支援員研修のファミリー・サポート・センター事業の研修を修了することが必要となりました。本年度、第1回の研修では、40名の方が修了証書を受け取られ、そのうち38名がファミリー・サポート・センター事業の支援員としても認定されているのですが、港区子育て支援員研修と事業登録は別の仕組みであるため、研修修了と育児サポート子むすびへの登録とが現時点では必ずしも結びついていません。  そこで、研修事業者と港区社会福祉協議会、所管である子ども家庭支援センターが協議を行いまして、港区子育て支援員研修の修了証書発行時に希望する方がすぐに協力会員の登録ができる場を設定することや、これまで受講された方に区が登録方法のご連絡をさせていただくこと、また今後とも協力して三者でPRを行っていくことなどを確認いたしました。これからもさまざまなイベントで機会を捉えまして、PRに力を入れてまいりたいと思います。 ○委員(熊田ちづ子君) 実際の事業を担っていくのは港区社会福祉協議会ですので、そことの連携をきちんとしていただいて、協力会員の増加にぜひ結びつけていただきたいと思います。  私の近所にも、長年、この育児サポート子むすびをご夫婦で続けておられる方がいます。お母さんが残業のときや土曜日、日曜日などに小さなお子さんをお預かりしているのです。最初は赤ちゃんですから泣きます。でも回を重ねるに従って、そちらのお宅にいらっしゃるお孫さんたちとも仲よくなって、小学生になっても時々利用されているようです。本当に町場にいるおばあさんのおうちを訪ねるみたいに私には見てとれます。とても微笑ましい事業だと思いますので、ぜひ本来の目的に沿った形で協力会員が増えていくよう努力をしていただきたいと思います。  次に無料低額宿泊所についてです。  生活困窮者の住まいとして利用されています無料低額宿泊所は、全国には537施設あり、76.9%がNPOの運営です。港区の生活保護受給者で、この無料低額宿泊所の入所者は、2016年8月1日現在26名で、利用者の年齢は25歳から81歳で、65歳以上が16名と6割以上です。高齢者の多くは特別養護老人ホームや介護施設等への入所待ちの方です。  区の紹介で、ある無料低額宿泊所を利用し、自立を目指して支援を受けていたAさんは、やっと見つけた仕事の研修の時間の関係で帰りが遅くなるため、寮で食事がとれない、お風呂が入れない状況が続き、寮でも相談に乗ってもらえず、区に相談しても寮と相談してと言われ、寮にいられなくなりました。お風呂も、入れるような設備ではなくシャワーしか使えないと。入所者に対して数が少なく、壁や鍵も壊れているような決していい生活環境ではなかったといいます。  無料低額宿泊所を利用する方の多くは、いろいろな事情や複雑な事情を抱えています。心が折れそうなことをたくさん乗り越えて支援を受けています。区が紹介する、この無料低額宿泊所は、区としても現地を確認した上で紹介をすべきです。無料低額宿泊所と連携を強め、相談者に寄り添った対応ができるように改善すべきです。2点、答弁をお願いいたします。 ○生活福祉調整課長芝地区総合支所生活福祉担当課長兼務(伊藤忠彦君) 熊田委員からご指摘いただいた方につきましては、職場への通勤のしやすさを最優先に無料低額宿泊所の紹介をさせていただきました。  住居を持たない方を保護するにあたって、無料低額宿泊所を利用する場合には、担当ケースワーカーが現地を確認し、施設の管理規定等を把握した上で利用者の希望に沿った適切な施設を紹介できるよう努めております。今後も無料低額宿泊所の適切な紹介について、ケースワーカーに周知を図ってまいります。  また、無料低額宿泊所に入所された方には、担当ケースワーカーが年2回の定期訪問や福祉事務所への来所時の面接、施設職員からの聞き取りなどを通じて、利用者の生活状況や今後の希望等を個別に把握をしております。また、自立した生活が可能な方には、アパート等への移行を図り、アパート等での生活が困難な方については、特別区人事・厚生事務組合内の運営する入所施設や養護老人ホーム等への入所手続きを進めるなど、適切に対応しています。  生活保護に従事する職員は、困っている方に寄り添う心を持つことが大切だと認識しております。今後も入所している施設の職員と連携をとり、それぞれの方の状況に応じた適切な対応をしていくよう努めてまいります。 ○委員(熊田ちづ子君) 今のご答弁を聞いていると何ら問題はないように聞こえるのですが、確かにいろいろな制度はこうやって整っているのです。しかし、実際に利用しようとなると、時間の問題で、区役所があいている時間に来られないと。いろいろな手続き上、本当に困るのです。それにどう対応していくかということだと思います。一つの問題だけで解決できない、たくさんの問題を抱えている方たちがこういうところを利用せざるを得ない状況に追い込まれているので、そこはぜひ、よくその人たちの立場に立って、どうするかということで対応していただきたいと思います。  次に児童扶養手当の毎月支給についてです。児童扶養手当は、1961年に制度が創設され、何回か改正が行われてきました。今回の改正で第2子の加算額が36年ぶりに5,000円から1万円に、第3子以降の加算額が22年ぶりに3,000円から6,000円に改定されます。施行はことしの8月1日ですが、改正された児童扶養手当の支給は12月からとなります。これは児童扶養手当が年3回の支給になっており、8月から11月分は12月に支払われるからです。  子どもの貧困問題が社会問題となっています。内閣府の2015年度版、子供・若者白書でも、子どものいる現役世代の相対的な貧困率は15.1%で、そのうち大人が1人の世帯の相対的貧困率が54.6%と非常に高い水準と認めています。ひとり親世帯で育つ子供の生活を安定させるための手当ですので、まとめ支給でなく毎月の支給になれば、経済的な見通しが立ち、より安定した生活につながると思います。  ことし5月に児童扶養手当が法改正された際も国会で議論となり、支給回数の改善措置を今後の課題とするということが付帯決議に盛り込まれています。ぜひ早期に実現できるよう、区としても取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○子ども家庭課長(長谷川浩義君) 児童扶養手当は児童扶養手当法の規定に基づき、4月、8月及び12月の3期に支払いを行っております。児童扶養手当の支給回数の変更は、自治体における支給事務に影響が及ぶことから、厚生労働省は、本年1月に全国の自治体を対象として、支給回数を変更した場合の人員体制の影響、システム改修の必要性等について調査を行っております。区は、支給回数が変更になった場合も適切に対応できるよう、今後の国の動向を注視してまいります。 ○委員(熊田ちづ子君) 支給事務に影響があるということで、今、調査が始まったということですけれども、もう法改正を待たずに毎月支給を実現する仕組みを今、考えている、準備を進めているという自治体も既に出ておりますので、ぜひ港区としても、そういうひとり親の方の子どもたちを支援する本来の目的に沿った支援ができるようにしていただきたいことを申し述べて終わります。 ○委員長(大滝実君) 熊田委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(大滝実君) 次に、やなざわ委員。 ○委員(やなざわ亜紀君) 平成27年度決算特別委員会初登場です。よろしくお願いします。  民生費では、待機児童の解消に向けて、何点か質問いたします。  保育園の定員数の確保についてです。保育園定員数と未就学児に対する保育提供率について、ことし4月時点の保育園定員数は7,006名と伺っておりますが、未就学児に対する保育の提供率について、全体のものとゼロ歳児から2歳児のそれぞれとゼロ歳児から2歳児までの合計のものをお聞かせください。 ○保育・児童施設計画担当課長(松井義人君) 平成28年4月1日現在の港区の人口に対する保育定員の割合についてです。ゼロ歳児から5歳児までの人口に対する保育定員の割合は43.9%です。  次に、ゼロ歳児から2歳児までの各年齢の割合です。ゼロ歳児の割合は28.1%、1歳児の割合は46.1%、2歳児の割合は53.3%です。  最後に、ゼロ歳児から2歳児までの合計の割合は42.0%です。 ○委員(やなざわ亜紀君) ありがとうございます。5年前、平成23年第4回定例会で、私、当時、平成22年の子ども・子育てビジョンにおいて、3歳児未満の公的保育サービスの利用割合について、平成29年には44%ぐらいになると見込まれているということを述べました。港区に関しましては、当時34%だったことを考えてみましても、さらに今、合計特殊出生率が伸びて、未就学児が非常に増えている中で、定員拡大のための最大の予算をつけていただいたり、本当にご尽力をしていただいているのは重々承知しておりますけれども、今、ゼロ歳児から2歳児で42.01%ということでしたので、5年前の子ども・子育てビジョンに関しても、44%にはまだ2%ほど足りないと思っております。  来年度に向けた定員拡大についてですが、区立しばうら保育園分園の整備、区立認可保育園の定員拡大、また、ほかにパートタイムや育児短時間勤務の方などの保育需要に対する、みなと保育サポートの2カ所の開設について準備していただいておりますけれども、どの程度の定員の拡大を見込まれているのか。みなと保育サポートは非常にありがたいのですが、区立認可保育園のほうが重要と考えますので、特に区立しばうら保育園分園と区立認可保育園の定員拡大に関して、お聞かせください。 ○保育・児童施設計画担当課長(松井義人君) 区立しばうら保育園分園の定員は、平成29年度は16名で、内訳はゼロ歳児が6名、1歳児が10名です。その後、学齢進行に合わせ定員を拡大し、平成30年度は2歳児で10名の定員拡大を行い総定員26名、平成31年度は、3歳児で10名の定員拡大を行い総定員36名とします。  また、既存の区立認可保育園の定員拡大数については、現在、調整中ですが、特に待機児童の多いゼロ歳児から2歳児までの保育定員を拡大できるよう、各園や各地区総合支所と連携しながら保育室のレイアウト変更や職員体制の見直しを進めております。 ○委員(やなざわ亜紀君) ありがとうございます。本当に努力していただいているのは重々承知しておりますが、少なくとも私の計算で、直感で言われても困ると思いますけれども、直感で言うと180名から200名ぐらいは定員拡大する必要があるのではないかと思っております。といいましても、今、既存の認可保育園でなかなか定員拡大していくのも非常に大変かと思いますが、できるだけ多くの定員拡大をしていただきたいと思います。  ところで、特別区長会で区長たちが国へ要望していただいたことについて、待機児童の解消には保育施設の整備も含めて、働きながら子育てできる環境全般を整備していく必要があるということで、国に対して、事業主に対する育児休業制度の導入の義務化や短時間勤務促進などの働き方の見直しを求める要請を行っていただいたということでした。非常に心強いのですけれども、まだそのような企業が多いのだと驚きました。  港区は、日本一企業が多い自治体ですし、国への要望はもちろん大事ですが、港区から直接的にこういった事業所へ働きかけることも必要かと思いますので、まずは区内の事業所の現状把握に努めていただけたらと思います。  次に、事業所内保育所についてお伺いします。今申し上げましたけれども、日本で最も企業数が多い自治体です。事業所内で事業所内保育所をつくってもらえるように、区からも積極的に企業等に提案を要請していくとよいのではないかと考えております。事業所内保育所は、企業が経費を一部負担するなどして、福利厚生面を充実すること、あとは地域の子どもを受け入れることによって地域貢献など、企業のイメージアップも図れるという点で非常によいかと思います。以前、小倉委員が質問をされたときの答弁で、10件程度のお問い合わせがあったという答えでしたけれども、現時点では開設まで至っていないと聞いております。  質問ですが、現在、開設に向けて具体的に協議が進んでいるのは何件くらいあるのか。また、事業所内保育所がなかなか開設まで至らないのは、区としてどのように課題として捉えていらっしゃるのか。事業所内保育所の開設についての協議などを受けつけている事例ががあるようでしたら、その協議の内容や進め方など、お聞かせください。 ○保育・児童施設計画担当課長(松井義人君) 事業者から事業所内保育所の開設について相談があった場合、最初に、区から事業所内保育所の認可基準や区からの補助予定額などをわかりやすく説明しております。この段階で認可基準を満たす避難経路や保育スペースが確保できないため、開設を断念する事業者が何者かありました。認可基準を満たすことができ、現在、協議を続けている事業者につきましては、事業所内保育所のほか認可外保育施設など、ほかの制度で施設を整備することなども含め、現在、社内で検討を行っていると聞いています。 ○委員(やなざわ亜紀君) 企業の経営者の方々にお願いしたり、聞いてみたりすると、非常に利益率の面、規制の観点でも厳しいと聞いております。要望としてですけれども、今後、協議していく中で企業からの要望等、区としての支援を、いろいろご検討いただけたらと思います。  次に、小規模保育施設についてお伺いします。年齢制限の撤廃についてです。なかなか保育の環境という意味でも難しいと思いますが、東京都の小池百合子都知事、今月9日に政府の国家戦略特区諮問会議に出席して、2歳児以下を対象とした小規模保育施設に3歳児以上でもいられるようにするように規制緩和を要望して、特区としての認定を求めるなど、自治体の保育所設置基準の裁量権拡大を柱とする大幅な規制緩和を要望されました。議長の安倍晋三首相は、可能なところから迅速に実現を図りたいと前向きな姿勢を示されたということです。  お伺いしますが、小規模保育施設の年齢制限が撤廃された場合、港区としても早急に対応するのか、区としての考えをお聞かせください。 ○保育・児童施設計画担当課長(松井義人君) 区では待機児童がゼロ歳児から2歳児までに集中していることや3歳児以降の定員に余裕があることなどを踏まえ、今年度からゼロ歳児から2歳児までを保育する小規模保育事業を実施し、現在、2カ所で開設しています。小規模保育施設は、法令により定員の上限が19名となっており、年齢制限の撤廃により3歳児以降を受け入れるためには、ゼロ歳児から2歳児までの保育定員を削減することになります。したがたって、年齢制限の撤廃については、区の待機児童の状況を十分に踏まえた上で検討してまいります。 ○委員(やなざわ亜紀君) ありがとうございます。今のところに3歳児を受け入れてしまうと、ゼロ歳児から2歳児の待機児童の解消という意味では意味をなさないと思いますので、新しい小規模保育施設をつくるとき、港区に関しては、特に3歳児の受け入れもなかなか場所が見つかりにくいこともありますので、広めの小規模保育施設ができるところなどがありましたら、ご検討いただけたらと思います。  次に、事業者からの問い合わせの周知についてお伺いしたいのですけれども、小規模保育施設の運営事業者ですということで、いろいろ問い合わせをいただいています。どこに相談すればいいのですか、私も相談したいのですけれどもみたいなことを言っていただくのですけれども、私自身も全くお会いしたことのない事業者の方から、この1カ月だけでも多分4件ぐらい問い合わせがありました。ぜひ区に直接問い合わせいただけるように、担当部署を探しづらいようですので、区ホームページに事業者からの問い合わせ先をわかりやすく掲載してほしいと思いますが、いかがでしょうか。 ○保育・児童施設計画担当課長(松井義人君) 現在、事業者からの問い合わせや相談につきましては、保育・児童施設計画担当が電話や窓口で対応しています。保育園の開設を検討している事業者が、すぐに私どもの部署に問い合わせることができるように、よりわかりやすく区ホームページを修正します。 ○委員(やなざわ亜紀君) ありがとうございます。よろしくお願いします。  続いて、認定こども園についてお伺いします。芝浦アイランドこども園が今年度4月に認定こども園としてスタートしました。認定という名前が、認定という制度になってなかっただけであって、運営自体は以前よりこども園としてスタートしていましたので、比較的スムーズであったと考えていますが、スタートしてみてのメリット、課題をどのように捉えていらっしゃるのか。  あわせて、ずっとこちらも申し上げておりますけれども、区内2園目の認定こども園設置について、できれば新規園がよいと考えています。今の既存園を認定こども園とすると、4歳児・5歳児をどうするのか、保育園の定員数を減らすのか、そういう問題になってきますので、新しい保育園を設置するときに新しい認定こども園としてスタートしていただけたらと思いますけれども、認定こども園について、今後の予定をお伺いします。 ○保育・児童施設計画担当課長(松井義人君) 保護者の皆さんからは、専任の学級担任による子ども一人ひとりの発達に応じた教育及び保育の内容や特色ある教育として行っている英語プログラムの充実などについて、ご好評をいただいております。また、地域の在宅子育て家庭の皆さんからは子育て支援事業の拡大について、ご好評をいただいております。  運営上の課題としましては、ほかの保育園と同様に保育士の確保が難しい現状がありますが、現時点では特に大きな課題はありません。  今後の認定こども園の開設につきましては、待機児童対策に必要な保育定員の確保や幼児教育を希望する保育ニーズを把握し、芝浦アイランドこども園の検証を踏まえ、他地区での実施について検討してまいります。 ○委員(やなざわ亜紀君) ぜひよろしくお願いします。子ども・子育てか何かアンケートで、たしか20%以上の方が認定こども園を希望しているという答えも出ておりましたし、ゼロ歳児から2歳児は保育園で、3歳児以降は幼稚園と考えていらっしゃるご家庭も多いことから、認定こども園は非常にニーズが高いと思いますので、よろしくお願いいたします。  続いて、障害児保育についてお伺いします。まず、居宅訪問型保育事業の課題についてです。医療的ケアが必要な幼児の居宅において、保育者による1対1のきめ細やかな保育を行う居宅訪問型保育事業を港区でも開始していただいて、非常に感謝しております。スタートしてみての課題と区が把握していらっしゃることをお伺いします。 ○保育担当課長(増田玲子君) 現在、医療的ケアが必要な2名のお子さんに対して、居宅訪問型保育事業により1対1のきめ細かな保育を実施しておりますが、受け入れ枠を増やし、保育ニーズに応じた保育環境を整備するため、居宅訪問型保育事業者の確保が課題となります。また、医療的ケアが必要なお子さんの状況を的確に把握し、お子さんの状況に合った保育を提供していくため、今まで以上にきめ細かな対応ができるよう相談体制の充実が必要となります。 ○委員(やなざわ亜紀君) ありがとうございます。  障害児保育園の開設について、あわせてお伺いしますが、ことし4月に取得した元麻布二丁目用地に平成32年度に障害児保育園も開園すると聞いておりますが、ここの保育園は指定管理者を入れるということですので、できる事業者があるのか等の心配を勝手ながらしております。皆様も視察等々されたということですけれども、長時間保育を可能として、看護師、作業療法士、研修を受けた保育スタッフがチームを組み、子どもたちが安心して過ごせる体制である、こちらは障害者福祉課の管轄になるそうですけれども、杉並区にあるヘレンという障害児保育園、こちらは7月には豊島区で開始され、来年の2月には世田谷区でも開始されるということで、今の居宅訪問型保育のアニーと、そして、このヘレンを併用できれば、より多くのご家庭を助けることができると思います。こちらは初期費用が補助されれば、すぐ開設できるということでしたので、もちろん平成32年度の元麻布二丁目用地も期待しているものですけれども、こちらの保育に関しては、今、ヘレンがわりとすぐにできれば、元麻布の障害児保育園に関しては、定員受け入れの拡大、新たな可能性やほかの可能性もさまざま出てくると思いますので、幅広く研究調査を重ねていただけたらと思います。  続いて、保育士の確保について質問してまいります。先ほど、認定こども園に関しても、そして、障害児の保育に関しても、いろいろな問題全部、とにかく保育士不足について、待機児童の解消にあたりまして、非常に前から懸念されていることです。特に雇用条件の悪さが挙げられております。  今定例会での鈴木たかや議員の一般質問の保育士不足の問題に対する答弁で、区は私立認可保育園などにおける保育人材確保を支援するため、平成27年度から保育従事職員用の住宅の借り上げ費用について、住宅1戸当たり月額7万1,750円を上限に助成しており、平成27年度は48人の保育士に利用されていると。職員の給与改善の取り組みに対する助成に関しては、平成27年度はほぼ全ての私立認可保育園と認証保育所において、職員一人当たりの給与が月額で平均約2万円改善されているということです。これはたしか窓口は区ですけれども、家賃補助の財源については、国が2分の1、東京都が4分の1、区が8分の1、事業所が8分の1です。給与に関しての財源は、全て東京都のものではなかったかと思ったのですが、聞いてみたら、全て東京都のものだということでしたので、つまり、ほかの自治体でも行っているということです。  港区だけよければよいともちろん思わないですけれども、港区内での保育士の確保は待機児童の解消の為に非常に重要だと思いますので、区独自の保育士の処遇改善策が必要と考えますが、いかがでしょうか。 ○保育担当課長(増田玲子君) 職員の給与改善費用助成について、補足をさせていただきます。保育士等キャリアアップ補助金により私立認可保育園及び東京都認証保育所の費用については、全額東京都が負担し、小規模保育施設等については、東京都と区が2分の1ずつ負担してございます。区は、東京都の補助制度を積極的に活用するとともに、指導検査や訪問指導の際、職員の処遇改善状況を確認するなど、私立認可保育園等の適切な処遇改善の取り組みを支援してまいります。 ○委員(やなざわ亜紀君) 今後も、積極的にいろいろとよろしくお願いいたします。  続いて、潜在保育士の再就職支援についてお伺いします。一旦保育士を辞められた方や専業主婦の方々でこれから再就職を考えたいという方を対象とする保育園への現場実習の研修費用の補助や、保育士の資格を持っていない方で保育士の資格を取りやすくする支援も大事だと考えますが、こちらに関して、いかがでしょうか。 ○保育担当課長(増田玲子君) 区は保育現場から一時離れた方がパートタイムで働く場合など、パートタイムの非常勤保育士を雇用する私立認可保育園等に対し、人件費の一部を補助しております。また、私立認可保育園等における保育人材確保を支援するため、保育士資格を持たない職員が働きながら資格取得を目指す際の養成学校への入学料や受講料・受験料などの費用の一部を補助しております。さらに、私立認可保育園等を対象とする研修の実施や経験豊富な保育士による安全・安心な保育運営のための相談・助言を行っております。これらの取り組みを通して、潜在保育士や子育て経験のある方が保育現場で働く環境づくりを支援してまいります。 ○委員(やなざわ亜紀君) 保育士不足は今後も続いていく課題だと思いますので、一足も二足も早く進めていただいていると思いますけれども、引き続きよろしくお願いいたします。  続いて、ベビーシッターの助成についてお伺いします。今定例会で我が会派の代表質問で有働議員がベビーシッターの助成についてお伺いしました。マッチング方式によるベビーシッター活用の支援が区でも需要がありますと。ただ、保育の質や安全の確保は課題だということを述べた上で区のお考えをお伺いしましたけれども、区長からも保育のマッチング方式によるベビーシッターの利用支援については、保育の質や安全の確保が課題と考えていらっしゃるというお答えで、ことしの4月から始められた訪問型病児・病後児保育のベビーシッター派遣事業等々の様子を見ながらということで、ベビーシッターの支援助成を研究していきますというお答えでした。  区がこの4月から認めている訪問型病児・病後児保育のベビーシッター派遣事業ならば、助成は可能かと思いますので、他自治体のベビーシッターによる待機児童解消策でもベビーシッターが使われておりますし、区の状況から見て、区が指定するベビーシッター事業者であれば、助成可能なのではないかと考えます。早急に予算化していただけたらと思いますが、いかがでしょうかという質問だったのですけれども、それもお答えいただきたいのですが、あわせて、まさにけさの新聞ですけれども、ベビーシッター半額補助を厚生労働省が平成29年度にということで、来年の平成29年度からベビーシッターの助成が国で半額助成するということでした。しかも、残りの利用料については、市区町村が独自に上乗せをして、補助率を高められるようにすると出ておりました。
     情報によりますと、所得制限を設けるということですが、港区では設けないでほしいと思っております。特にひとり親家庭に関しては、金額の問題以上に家庭内における人手不足で子どもが施設にかなり長時間預けることになったり、一人で家にいる場合も多かったりと聞いております。震災など、いざというときも心配ですので、所得にかかわらず利用できたら大変ありがたく思います。ベビーシッターに関する助成について、お考えをお伺いします。 ○保育担当課長(増田玲子君) ベビーシッターを活用した保育については、平成27年12月に開始した居宅訪問型保育事業により、障害、疾病等の程度を勘案して、集団保育が著しく困難であると認められるお子さんに対して行っております。この事業は、居宅訪問型保育事業者がベビーシッターを一定期間確保した上、1対1の保育を実施し、保護者は認可保育園と同様、区で決定した保育料を負担しています。今後、待機児童の解消のために保育の質や安全を確保したベビーシッターによる居宅訪問型保育事業の対象事業の範囲を拡大することについて、待機児童の状況等を踏まえ、検討してまいります。  また、やなざわ委員からお話のありました国のベビーシッター補助制度については、保護者のニーズを的確に把握し、活用の方法などを検討してまいります。 ○委員(やなざわ亜紀君) ありがとうございます。待機児童が一人でも解消していけばいいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  最後に、児童手当や保育施設申し込みの電子化について、お伺いいたします。内閣官房のIT総合戦略室が、平成28年9月7日に児童手当や保育施設の利用申し込み手続きの電子化を盛り込んだ子育てワンストップ検討タスクフォースの取りまとめ(案)を公表しました。マイナポータルが本格稼働する平成29年7月以降、順次オンラインで手続きができるようにするとのことで、例えば、幼稚園や保育園、認定こども園などを利用するのに必要となる支給認定や保育施設の利用申し込み手続きなど、平成29年9月からオンラインでの提出を可能とすると。入所後の現況届も9月以降、オンライン申請が可能になり、勤務先が手書きしていた就労証明書も電子化でできるようにすると。  また、平成29年7月から妊娠の届け出もオンラインで提出できるようにして、妊婦の状況や子どもの月齢や年齢に応じて、乳児健診、予防接種のお知らせをプッシュ形式で通知し、メールにも転送できるということで、SNSに転送する仕組みも調整しているということです。予防接種の履歴も本人や保護者が閲覧できると。子育て世代皆がずっと願っていたことがやっと来年からかなうのかということで、非常に便利になると思って喜んでおりますが、いかんせん、来年の7月や9月以降からできるということですけれども、国で可能となれば、港区でもすぐに行えるのでしょうか。お伺いいたします。 ○子ども家庭課長(長谷川浩義君) 国はマイナンバー制度を活用した子育て関連のサービスのワンストップ化の検討を行っておりますが、現段階では、実現に向けての各自治体への情報提供等は行われておりません。区はこれまでもひとり親家庭等のホームヘルプサービスの利用申し込みの電子申請化や妊娠期から子どもが3歳になるまでの間、出産や子育てに関する情報をメール配信する港区出産・子育て応援メールなど、子ども・子育て分野でのITを活用したサービス向上に取り組んでまいりました。今後もITの有効活用による区民サービスの一層の向上に努めていく中で、国が進める子育て関連のサービスのワンストップ化の動向を注視してまいります。 ○委員(やなざわ亜紀君) ありがとうございます。よろしくお願いします。終わります。 ○委員長(大滝実君) やなざわ委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(大滝実君) 次に、清家委員。 ○委員(清家あい君) 私もやなざわ委員に続いて、待機児童解消策についてお伺いします。  今、やなざわ委員がおっしゃっていたように、私も自分で計算して、来年4月、このままいくと待機児童が180名から200名ぐらいになるのではないかという感じがしていました。平成28年第3回定例会の代表質問で来年4月の港区の待機児童数がこのままいくと相当な数に上りそうだが、どういう対策を考えているのか、ベビーシッター補助を導入するなどの大きな政策転換が必要ではないかという質問をさせていただきました。この質問に対し、区長からは来年4月に向けて、区立しばうら保育園分園の整備や保育スペースを工夫することなどで定員拡大の準備を進めていると。また、区立港南緑水公園内の私立認可保育園の開設を目指し、近隣の関係者と調整を進めているという答弁をいただきました。  しかし、港区港南緑水公園内の私立認可保育園の開設となると、建物の建設から始めなければならず、来年4月開設には到底間に合いません。来年4月までに開設される具体的な計画のある新設保育園は、区立しばうら保育園分園のゼロ歳児と1歳児分、計16名です。そのほか事業計画には1園の私立認可保育園誘致が予定されているだけです。保育スペースの工夫だけでどれだけ定員を増員できるのでしょうか。どこの保育園も既に定員の弾力化などで目いっぱい保育スペースは活用しているはずです。  毎年、待機児童が集中するのは、ゼロ歳児・1歳児が中心です。ことし9月1日現在の待機児童数は169名です。前年同時期に比べて69名多いですが、内訳はゼロ歳児が前年より40名多い78名、1歳児は25名多い43名です。そして、ゼロ歳児・1歳児の待機児童数というのは、年度の途中で子どもが生まれたり、母親の育児休暇が終わったりすることで、どんどん保育園の入園申請が増えていくために、年度末に向けて2倍、3倍に膨れ上がっていくものです。このままいけば、年度末には待機児童数は確実にゼロ歳児・1歳児を中心に200名、300名と膨れ上がっていきます。  一方で保育園の定員拡大の状況ですが、先ほど述べたように、区立しばうら保育園分園の設置でゼロ歳児・1歳児で16名定員増ですが、南麻布三丁目保育室と志田町保育室の4歳児までの定員拡大で、トータルでは定員23名の拡大ですが、毎年、一番待機児童が問題になる1歳児クラスで、今のところ定員拡大どころか、合わせて15名減という状況です。  ここ数年で港区は保育園の大幅な定員拡大を行い、大きく待機児童数を減らしてきました。平成26年度には待機児童数を195名から45名へと150名減らしましたが、そのために1,482名の定員拡大をしています。翌年度には45名から30名に15名減らすために675名の定員拡大をしています。昨年度、定員拡大が370名しかなく、このように定員拡大のペースを落としたら、絶対に待機児童が増加すると訴えてきましたが、結果、待機児童は倍増して64名になりました。しかし、今年度、何かの間違いではないかと思うほど、定員拡大が全くありません。  繰り返しになりますが、ことしはもうすぐ10月になりますが、来年4月に向けて、39名の定員拡大しかなく、一番増やさなければならない1歳児においては15名の定員減です。今年度、年度途中に港南と赤坂で小規模保育施設を2園開設し、ゼロ歳児・1歳児で定員計26名拡大していますが、それでも1年間で合わせて65名の拡大です。こんなに定員拡大ができなかった年は、この10年で一度もありません。一番待機児童の多かった平成22年度でも364名の定員拡大をしています。それでも待機児童数は前年比11名増の274名という結果でした。  しかも、港区の平成27年の合計特殊出生率は過去最高を更新しており、23区中1位となった前年よりさらに上がり、1.44となっています。出生数は前年より108名多い2,962名です。平成27年1月から9月までのゼロ歳児人口と、ことし平成28年1月から9月までのゼロ歳児人口を比較しても、既に243名増えています。既にゼロ歳児を中心に認証保育所、無認可保育園、全部あたってもどこにも入れない、仕事復帰のめどが立たずにクビになるという悲鳴が上がっています。年度末でもないのに無認可保育園すらどこにも入れないという状況は大変な状況です。待機児童の9割はゼロ歳児・1歳児に集中します。毎年、人口流入などの社会増に加え、港区では、保育料第2子以降無料化などの施策もあって、出生率が大幅に上がり、自然増もあり、さらに一番重要なのは、子ども人口自体が増えていくのに加えて、毎年、保育需要率が2%以上上がることです。  港区では、平成16年度に1歳児の保育需要率は22%、つまり、100人に22人が保育園入園を希望するという感じだったのが平成25年度には41%、平成28年度には48%で、湾岸部では60%に迫る勢いです。港区の1歳児を持つ母親の半分は働く時代になっていますし、数年後には日本の労働人口不足を考えれば、1歳児の母親の9割が働くスウェーデン並みになるのかと思います。保育園をいくらつくってもつくっても追いつかない今の状況を考えれば、いつまでも保育園をつくり続ければいいのだ、もうそろそろ保育需要もとまってくるのではないかと思うかもしれませんが、東京一極集中による子育て層の人口流入も共働き世帯の増加による保育需要率の急増もまだまだとまる気配がありません。かつてのスウェーデンも女性の労働力を家庭から社会へ転換しなければならなくなった20年前には、都市部のビルの1階が保育園で埋め尽くされるぐらいの時代があったといいます。  厚生労働省の官僚の方に先日お会いした際には、「日本の人口問題は第2次ベビーブーム世代がそれなりに子どもを生むのだから大丈夫だと思い込んでいた。対策をしなければいけなかった時期に介護保険制度をつくることに集中してしまっていた。でも気がついてみたら第2次ベビーブーム世代が全く子供を生めなかった。そして彼女たちの出産期が終わりを迎えている。もう日本の人口が増える要素が永遠に失われてしまった。地方創生は振るわず、東京一極集中がとまらない。子どもを生みたい人たちにとって、港区は最後の希望だから頑張ってほしい」と言われました。都心の政治は地方から出てくる若い新住民に優しくないとも言われました。  日本の合計特殊出生率は1.4で、188カ国中173位です。このままいくと、国が予測しているとおり、100年後の日本が100年前と同じ人口5,000万人になり、人口の7%が高齢者になる社会が高齢社会と言われる中で、人口の40%が高齢者で子どもが9%という、人類かつて経験したことのない超少子高齢化社会が私たちの目の前に現実のものとして立ちあらわれようとしています。  待機児童問題の根本の原因は、東京一極集中により、日本中の子育て層が地方に職がないために、3大首都圏も素通りして東京に一極集中してしまうことです。そのため、都心の子育て層のほとんどが地方出身者になってきていて、世界的に見て社会保障が超貧弱な日本では、子育てや介護などの支援をほとんど親族や女性に頼ってきているため、近くに頼れる親族も知人もいない港区の母親たちには、保育園やそのコミュニティに入ることでつながれるママ友達などがいなければ、1年もひとりきりで子どもを育てられないような切迫した状況に置かれています。  さらに、働き方改革もなかなか進まない中で、父親も母親も超長時間労働を強いられている現状があります。今の働く母親たちは、本当に殺人的な生活を強いられています。でも、彼女たちがいなければ、数十年後の日本を支える子どもたちが生まれないのです。最低限、保育園ぐらい整備してほしいと思っています。だから、保育園落ちた日本死ね!のブログが圧倒的な共感を呼びました。  そして、港区役所の職員構成に見られるように、今、子育て層にあたる35歳から39歳の層、そして、その前後はバブル崩壊後に社会に出た世代で、私もそうですが、超就職氷河期で、4人に1人が新卒無職と呼ばれた世代です。多くが非正規雇用になったまま、結婚も子どももコストが高過ぎて望めない状況に置かれています。日本の社会保障が超貧弱なかわりに機能してきたのは、企業が簡単に正社員を首にできない厳しい労働規定による終身雇用と年功序列です。その人たちを守るために新卒採用が抑制され、非正規雇用となり、何の社会保障もないまま社会に出された世代が今の子育て世代です。全国300万人にも上る生活保護予備軍とも言われています。  今の日本の世代間格差は世界でも突出しています。世代間格差の国際比較で、カナダはゼロ%、アメリカは51%に対し、日本は529%という研究報告もあります。私たちの親の世代の平均が中所得層にあったのに対し、私たち世代は全体が低所得層に移っています。そんな中で港区の子育て層は、同世代では全国トップの勝ち組ですが、それでも共働きで住宅ローンを組んで、地価の高い港区の高層マンションに住んで、子どもにこれからかかるであろう高い教育費と親世代のようにはもらえないであろう退職金や年金の不安に備えて暮らしています。9割が核家族で、親族の支援も地域の支援も得られない中で孤立した子育てを強いられ、保育園が子育ての最後のセーフティネットです。年収1,000万円あっても可処分所得は高くないというのが平均的な港区の子育て世代の実感だと思います。女性が一度仕事を辞めたら、生涯賃金が最大2億円下がると言われる中、母親たちが今の会社、今の仕事を辞めないで済むように必死に保活をしているのが実態です。  来年4月の待機児童数を私も計算してみたのですが、計算に自信がないのでここでは差し控えさせていただきますが、大ざっぱな感覚でいけば、私立認可保育園を5園から6園は誘致しないといけないところです。でも、今はもう10月になるところで、来月には来年4月に向けた新しい保育園案内を出さなければならない時期で、今から誘致して間に合うと思いません。昨年度は保育園が足りないと思うから認可外保育園の補助を導入してほしいと要望し、ことし4月から導入され、今現在、認可外保育園の補助申請は40件弱と伺っています。でも、今年度はゼロ歳児を中心に認可外保育園にすらあきがない状況では救済になりません。  豊島区が先日、ことし12月からベビーシッターが家で子どもを見てくれる居宅訪問型保育事業の対象を障害児だけでなく、ゼロ歳児から2歳児の待機児童に拡大し、実施する方針を打ち出しました。こうしたベビーシッター補助の制度を導入する以外に今の状況を打開する方策が思いつきません。  そこで質問です。待機児童対策についてです。港区では、来年4月に向けた保育需要をどのように計算し、どのように捉えていらっしゃいますか。また、保育スペースの工夫と私立認可保育園の誘致でゼロ歳児から2歳児分をあとどれぐらい増やせると考えていますか。 ○保育・児童施設計画担当課長(松井義人君) 来年4月の保育需要数は、ことし4月の地区別、年齢別の保育需要率と港区政策創造研究所による人口推計を乗じた数に今後の保育需要の高まりを想定した数を加算し、6,700名程度と見込んでいます。  ゼロ歳児から2歳児までの定員拡大について、区立しばうら保育園分園の開設により、ゼロ歳児から1歳児までの定員16名を拡大します。既存の区立保育園については、保育室のレイアウト変更や職員体制の見直しを各園や各地区総合支所と連携しながら進め、特に待機児童の多いゼロ歳児から2歳児までの保育定員を拡大できるよう、現在、調整中です。私立認可保育園の誘致につきましては、現在1園、ゼロ歳児から2歳児までの定員は30名程度を予定しています。引き続き、多様な手法により保育定員の拡大に努めてまいります。 ○委員(清家あい君) わかりました。来年4月に向けて、杉並区では、保育園定員2,000名分の拡大、その後、毎年度2,000名分拡大の増員計画を打ち出し、江東区では、今年度1,000名分の増員計画、豊島区でも保育園10園を新設するなど、次々に近隣自治体が本腰を入れた待機児童解消対策に乗り出しています。  港区では、他区に先駆けて私立認可保育園の誘致を積極的に進めることで待機児童解消を図ってきましたが、なぜ今年度は誘致が進まなかったのか。多くの事業者から計画提案があったのだとしたら、建物とのマッチングがうまくいかなかったのか。それともほかの自治体のほうが私立認可保育園誘致に優位な条件を出していたために、そちらに保育士の確保をはじめ、事業者が行ってしまったからなのか。原因の分析をどう見ていますか。また、その課題を解決するために改善が必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ○保育・児童施設計画担当課長(松井義人君) 事業者との協議の中では、昨年度ごろから避難経路の確保ができていないなど、建物が認可保育園の条件を満たさないことや保育園開設についての所有者の了解が得られないなどの理由で建物の確保が難しいとの声が聞かれ、私立認可保育園の誘致が難しい状況となっています。こうしたことから、民間開発事業者による保育園等の施設整備の誘導を図るため、本年7月に港区開発事業に係る定住促進指導要綱の改正を行いました。また、各地区総合支所とも連携し、不動産物件等の調査・情報収集に努めております。引き続き、私立認可保育園を誘致しやすい環境の整備に努めてまいります。 ○委員(清家あい君) 事業者から私も相談を受けますが、大体事業者は自分で場所を探してきて、区からここはどうだというのはあまりなく、多分この辺なら探しやすいですよなど、何かそのような助言はもらっているだけのような気がするのです。今も一生懸命探していらっしゃると思うのですけれども、そういうマッチングがもう少しうまくいくような仕組みをつくったり、本当にそういう場所が見つからないのだとしたら、もう少し違う方策を考えていかなくてはいけないと思います。  先ほどもやなざわ委員からもありましたけれども、ゼロ歳児から2歳児をベビーシッターや小規模保育施設にして、3歳児からは幼稚園や認定こども園という形で、幼稚園のほうが4歳児・5歳児が100名ぐらい、ずっと定員割れして半分はあいてしまっている状態です。保育園のほうも4歳児・5歳児があくという状態のミスマッチがずっと続いていく中で、両方を見て、全体的な整理も必要なのではないかと思います。  ゼロ歳児や1歳児がずっと増え続けるので、どれぐらいこれから増えるか、保育需要率がどれぐらい上がっていくか、出生数がどれぐらいになるか、人口流入がどれぐらいあるかを毎年推測し、来年はどれぐらい、再来年はどれぐらいと推測していくのは本当に至難のわざです。それで待機児童をゼロにしようと思ったら、だぶつくぐらい、だぶだぶなぐらい、保育園をつくっていかなければいけないけれども、自治体として財政面の制約があったり、土地の問題があったりする中では、ベビーシッターのような柔軟に新しい需要に対応できるような制度を低年齢のところで持っていないと、これから先が難しいという感じがします。  ベビーシッター補助についてですが、先ほど、やなざわ委員が、きょう発表があったと厚生労働省の半額補助の件をおっしゃっていました。私も、平成28年第3回定例会の代表質問でベビーシッター補助の導入について質問させていただいたのですが、今後とも定員拡大を図る中で、待機児童をなくすことに全力で取り組んでいくと。また、ベビーシッターによる保育への支援については、保育の質や安全性を確保することも含め、検討していくという答弁をいただいています。  昨年4月の子ども・子育て支援新制度がスタートした時点で、千代田区は、主に集団保育が難しい障害児のためにベビーシッターが自宅を訪問して子どもを見てくれる居宅訪問型保育事業という制度を使って、区内の全園を申し込んでも待機児童になる可能性のある人を対象にポピンズなど業界最大手のベビーシッター会社と契約し、認可保育園と同程度のベビーシッター利用に対して補助を出していたそうです。いたそうですというのは、今まで知らなかったのですけれども、そういうことをやっていたそうです。そして、定員は無制限で、現在、20名程度の利用があるということです。保育の質の確保策としては、園長経験のある指導員という立場の保育課の職員が現場を見て回っているということでした。豊島区は、千代田区にならい、ポピンズと契約し、ことし12月から定員10名でスタートさせ、来年度は定員80名に拡大するということです。  居宅訪問型保育事業は障害児のための保育事業だと思っていて、待機児童対策に使えるものだとは皆さんも思っていなかったと思うのですけれども、区の条例にある児童福祉法上の措置制度の要件を使って、待機児童を対象にベビーシッター派遣にも使えるのであれば、今回、豊島区がプレス発表したこともあって、どんどん自治体に広がっていくと思います。良質なベビーシッター会社を早く確保しないと、保育士同様、奪い合いになっていくところもあるので、厚生労働省の半額補助の制度がどういうものになるのかわからないですけれども、そうしたものがどんどん広がっていくだろうと思います。  ベビーシッターは、個人で認可保育園並みの時間を利用すると月40万円近くかかりますが、事業の適用対象となれば、国などから補助が出るため、保護者にとっては認可保育園とほぼ同じ月額で利用できますし、区の負担としても、ゼロ歳児・1歳児では、認可保育園を増設するのとほぼ同じぐらいの負担になると聞いています。  また、認可保育園に入れる場合、フルタイムで企業に働いて、育児休暇明けが一番入りやすいために、子どもと一緒の時間をもっとつくるために柔軟な働き方がしたい、起業したいと思っていても、保育園に入れなくなるからとためらう人が少なくないです。実際にそういう相談を多く受けます。ですので、ベビーシッター補助が導入されると、女性の柔軟な働き方に寄与するものと思いますし、起業支援にもつながります。わざわざ保育園に入れるために無理してゼロ歳児から企業でフルタイムで復帰する必要もないので、子どもと一緒に過ごす時間も自分の裁量で持てるようになると思います。今、パンクしている病児保育や一時預かりのニーズも少し減るのではないかと思います。また、実際に待機児童になっても、どうしても働かなければいけないという人たちは、高額な自己負担でベビーシッターを雇ったり、お金のない家庭では、安いけれどもリスクも高いインターネットでのベビーシッターサービスを利用したりせざるを得ない現状がありますので、認可保育園に入れた人と入れなかった人のひどい不平等感も解消されると思います。  来年4月の待機児童対策としては、千代田区や豊島区の導入している居宅訪問型保育事業を利用したベビーシッター補助制度の導入が不可欠と考えていますが、区の考えをお伺いします。 ○保育担当課長(増田玲子君) 区は多様な保育ニーズに的確に対応し、全ての子どもを安心して預けられる保育環境を整備するために、認可保育園等における保育のほか、一時保育や保育サポートなど、さまざまな保育サービスを提供しております。今後、ベビーシッターによる居宅訪問型保育事業の対象児童を医療的ケアの必要な児童に限らず、その範囲を待機児童へ拡大することについては、待機児童の状況や保護者が希望する保育サービスの内容などを把握した上で、保育の質や安全を担保した保育事業者の確保や利用の方法など、多方面から検討してまいります。 ○委員(清家あい君) ぜひよろしくお願いします。区長は、ことし6月に4期目の当選を果たされましたが、その際にも子育て支援を最重要施策とされていると思いますので、公約がきちんと果たされるように、来年の4月に間に合うように、ぜひ考えていただきたいと思います。  次に、無認可保育園の補助の拡充についてです。港区では、ことし4月から認可外保育施設に対する補助の導入を始めましたが、上限を8万円と設定しているため、高額所得層にとっては5,000円ぐらいの補助にしかならず、補助対象の認可外保育園は保育料が非常に高いため、10万円以上の出費になり多くの方々から改善を求められています。認可外保育園の補助制度を改善することを検討していただきたいと思いますが、考えを伺います。 ○保育担当課長(増田玲子君) 区は、今年度から保育認定を受け、認可保育園の入園を申し込みながら認可外保育施設に通う児童の保護者の保育料負担の軽減を図るため、認可外保育施設の保育料と認可保育園に通った場合の保育料との差額を助成する制度を開始いたしました。助成の対象となる施設は、東京都の認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書の交付を受けている施設としております。9月1日現在、39名にご利用いただいております。補助基準額につきましては、施設ごとに独自のカリキュラムやサービスを提供する場合もあることから、2歳児クラスまでは8万円、3歳児クラス以上では7万7,000円としております。制度開始後の利用状況や待機児童の状況などを踏まえるとともに、国や東京都の動向も注意しつつ、制度のあり方について検討してまいります。 ○委員(清家あい君) ぜひよろしくお願いいたします。  次は認定こども園ですけれども、時間が足りないので総括質問に回させてもらいます。  次に、養育困難世帯についてです。養育困難世帯が増えています。23区における自殺により亡くなった妊産婦の数が2005年から2014年の10年間で63名に上ることがことし4月の日本産科婦人科学会で発表されています。この数字は、出産時の出血などによる妊産婦死亡率の2倍の数字で、出産後に自殺した人の約3分の1が産後鬱だったことが調査の結果でわかっています。  産後鬱は、ホルモンバランスの変化や育児の悩みなどから国内で出産した女性の約10人に1人が経験しており、特に出産後、社会から孤立しがちで親族や地域からの育児支援が得られない都市部で深刻な問題です。妊産婦の自殺の調査の結果が報告されるのは今回が初めてのことだそうで、妊娠・出産期の死因の中で自殺が最も多いことになり、自治体などによる妊産婦のメンタルケアの必要性が求められています。産前・産後ケアの重要性は言うまでもありませんが、赤ちゃんの緊急一時保育やショートステイができる乳児院などの施設の拡充なども切羽詰まった問題です。  港区の養育困難世帯、要支援家庭を訪問する養育支援訪問事業は、平成23年度の344世帯から平成27年度は641世帯に倍増し、区立保育園緊急一時保育事業は、平成23年度の利用が延べ145名だったのが平成27年度は549名に急増しています。保育園の待機児童が増えていくと、パートタイム世帯のための保育サポートや一時保育が満員になり、緊急一時保育の枠も減り、さまざまなところにしわ寄せがいきます。そして、母親の産後鬱などで子どもの養育ができなくなっている世帯がフルタイムで働く世帯よりも保育園入園のポイントが下がるために保育園に預けることができず、母親の病状は悪化し、ますます家庭状況が悪くなっていくという悪循環になります。最悪、育児放棄や虐待にダイレクトにつながっていきます。産前・産後ケアについては、港区でもさまざまな施策を進めていますが、こうした要保護世帯に対するセーフティネットを充実させていく必要があることを感じます。  先日、子どもが生まれるのを楽しみにしていたお母さんが、生まれたお子さんに障害があることがわかって産後鬱になり、家事や育児ができなくなり、お父さんがかわりに家事や育児、赤ちゃんの通院など全て行わなければならないため仕事ができなくなり、保育園入園を希望されていました。各地区総合支所には鬱病では点数が低いのでフルタイムで働いている人たちに負けてしまうので保育園に入るのは難しいと言われ、さらに赤ちゃんに障害があるために保育園の受け入れも加配が必要で難しいのではないかと言われ、乳児院に1週間預けることを繰り返されていましたが、そこでもあきがなくて断念していました。  区の保育担当や子ども家庭支援センターのおかげで家庭訪問をしてもらったり、緊急一時保育のあきを探してもらったりして、何とか緊急一時保育で預かってもらうことができたのですが、夫婦は緊急一時保育の制度を知りませんでした。ほかにも同じような産後鬱で養育困難に陥った世帯の相談に乗ることがありますが、緊急一時保育の制度の存在自体あまり知られていません。産後鬱の世帯は疾病世帯にあたるため、保育園の入園指数が低くなってしまう上に、ゼロ歳児の年度途中にあたることがほとんどのため、保育園に入るのは至難のわざです。  そこで質問です。緊急一時保育が必要な要保護世帯に対し、情報が十分に届いていなかったり、また、自分でその制度を見つけてきて、自分であいている保育園を探して、園長と交渉したりと制度として利用者側に使いやすいものになっていないと思うので、各地区総合支所の窓口か子ども家庭支援センターか保育担当かどこかで窓口を一本化して、ワンストップで丁寧なフォローができる体制をつくっていただきたいと思うのですが、考えをお伺いします。また、緊急一時保育の利用者数が急増しています。緊急一時保育も含め、定員枠の拡大が必要と考えますが、考えを伺います。 ○保育担当課長(増田玲子君) 区では保護者が出産や病気、介護など、一時的に保育ができない場合、区立認可保育園、芝浦アイランドこども園に加えて、私立認可保育園2園において、就学前までの児童を預かる緊急一時保育を実施しております。緊急一時保育の利用については各園で受けつけておりますが、心身の状況等により支援を必要とする相談などに対しては、各地区総合支所が窓口としてきめ細かに対応しております。同時に、在宅で子育てする保護者の皆さんに制度の内容や相談場所について、今後とも広く周知してまいります。  また、緊急一時保育の定員拡大については、保育体制や施設の面から課題があります。子育て広場で実施している一時預かり事業を拡大するなどして、在宅で子育てする保護者の皆さんが安心して子育てできるよう支援に努めてまいります。 ○委員(清家あい君) わかりました。各地区総合支所がワンストップの窓口になってくれるということで、そういう形で丁寧な対応をしていただきたいと思います。  次に、産後ケアシステムの整備が必要と考えますが、港区では、産前・産後ホームヘルプサービスや産後ケアのデイサービス、Helloママサロン、保健師による戸別訪問などの事業があります。ただ、産前・産後のホームヘルパーが来てくれても、毎回違う人が来るので一から家事のやり方を説明するのにひと苦労、兄弟など子どもの面倒を見てくれない、保健師が来てくれても話をするだけなど、利用者ニーズと全てがぴったりマッチしたものではないことも伺われます。  品川区などでは、産後ドゥーラという産前・産後の女性の日常生活をサポートする資格を持った専門家を保護者の自宅に派遣するという事業に補助を始めました。母親に対する心身の産後ケアができて、かつ家事などのホームヘルプサービスも提供でき、赤ちゃんや兄弟の子どもの面倒も見られるなど、さまざまな用途に対応できるそうです。そうしたサービスがまさに港区の利用者ニーズにマッチしているように思います。こうしたサービスの導入も検討していただきたいと思いますが、考えをお伺いします。 ○子ども家庭支援センター所長(保志幸子君) 現在、子ども家庭支援センターで実施している妊娠出産時家庭へのホームヘルプサービスは、単胎妊娠の場合、妊娠中と出産日から120日以内に96時間までのホームヘルパー派遣を実施しています。この事業は大変好評なため、平成27年度には1回の利用時間を2時間・3時間・4時間と選べるようにしまして、日数も60日でしたものを120日以内と延長しております。非常に登録者が増加しているのは、先ほどご紹介があったとおりです。  産後すぐの家庭へのシッターサービスについては、保育者は通常の保育と違いまして、産後直後ということもあって、さらなる専門性が求められるため、希望に沿って、確実に事業を担える事業者が少ないという課題があります。利用内容や回数、事業規模などについて、今後、十分調査もいたしまして、実現に向けて検討してまいります。 ○委員(清家あい君) ありがとうございます。先ほど言ったように、要保護世帯で養育困難世帯の場合、産後鬱になっていたりした場合に、早くに介入しないとどんどん悪化していってしまいます。早期の介入が必要だと思うのですが、緊急一時保育の枠は今の状況で増やせないし、なかなか点数も低いので保育園に入れる見込みもなかったりと難しい状況があります。こうした世帯に産後ドゥーラの派遣が早い段階で対応できたら一番よいようにも思うので、ぜひこうした事業が新しくできたらいいと思います。よろしくお願いします。  質問は以上です。ありがとうございました。 ○委員長(大滝実君) 清家委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(大滝実君) 次に、ちほぎ委員。 ○委員(ちほぎみき子君) よろしくお願いいたします。今、女性委員のやなざわ委員と清家委員から子育て支援、待機児童の問題、いろいろ厳しいご質問等がありました。なかなか保育園をつくるということだけでも需要に追いつかない現実、そういったことに対して、区は多方面から多様な手法で保育環境をさらに確保していきたいということで、本当にそれに尽きるのではないかと今もやりとりを聞いて私も思っております。  ただ、そういった中でも、最近の新聞では、M字カーブと言われる、日本の年齢別の労働率のグラフがあります。そのM字カーブがずっとがくんと落ち込んでいたわけですが、女性の活躍推進ということで、国を挙げて取り組む中で、やっと30歳から39歳のM字カーブで落ち込んでいた部分が少し回復をして、ようやくそれが目立たなくなってきたという記事を見ました。  また、同じように、ほかの厚生労働省の調査によりますと、平成22年から平成26年に第1子を出産後、仕事を続けている女性の割合が53.1%と、約半分以上に超えてきた、30年余りも40%に落ち込んでいたものが50%を超えました。注目すべきところは、非常に育児休業制度が女性の中で定着してきたといった調査にも結果が出ていることです。  丸山委員も総務費のときに質問されていましたけれども、こういった育児休業制度が男性の方にもこのような数字で定着していくとバランスがとれてきて、待機児童の問題や子どもたちが健やかに育っていく環境づくりの整備が一段と進んでいくのではないかと思っておりました。それに向けて区も働きかけをして、行っていっていただいていると思いますけれども。  私ごとですが、私の子どもも成人になりまして、ゼロ歳児から3歳児のときは本当に保育園に入るのに苦労しました。現実に、お話を聞いていても、今と変わらないと毎回思っているのですけれども、そういった中でも行政だけではなかなか解決しないのが実感であります。今から質問させていただくのですが、地域で子どもを育てていくことを見ていくという、こういった人材の育成が、今の港区の世帯が増え、子育て世代が増え、また子どもも非常に増えていくと。今後、これも柱となって、いろいろな角度で取り組んでいっていただきたいと改めて思って、質問をさせていただきたいと思います。ですから、現実問題として、ワーク・バランスの推進事業と子育て支援事業の両輪を本当にしっかりと進めていくことではないかと考えています。  そういったために、昨年度から子ども・子育て支援制度がスタートしまして、港区においても人口の増加、子育て世代の世帯数が多くなる中、私もちょうど1年前の平成27年第3回定例会の代表質問におきまして、地域の子育て支援の人材育成について質問をさせていただきました。そして、港区として、港区子育て支援員の研修制度が創設されまして、いよいよ本年度からその研修が始まっていると伺っております。これは、たとえ人材育成の方が子育て経験がある方でも、人の子どもを預かるという、人の命を預かるということにおいては大変なことだと思いますし、本当にこれからも重要な役目を果たすことになる支援員であると認識をしております。  そこで質問は、港区子育て支援員研修に参加してくださる方をどのように募集したのでしょうか。そして、初年度、ことしの受講の申し込み者数、また修了者の方はどれくらいいらっしゃったのか。また、支援活動の開始までの流れについて、お伺いいたします。 ○子ども家庭支援センター所長(保志幸子君) 港区子育て支援員研修は、地域子ども・子育て支援事業を支える人材育成を目的としております。港区子育て支援員研修修了後は、全国で通用する一時預かり事業や地域子育て支援拠点事業などの子育て支援員修了証を取得することができます。本年度は研修を全3回実施する予定で、第1回目を平成28年5月から8月にかけて実施いたしました。  受講生募集は、広報みなとや区ホームページ、リーフレット等の配布で行いましたが、そのほかに区の子育て支援施設、例えば、あっぴぃなどでサポート活動をしている方で、保育士の資格を取ってない方などには、私ども子ども家庭支援センターから施設を通して連絡をしております。また、大学生の募集に力を入れようということで、区内を中心に大学にPRをいたしました。  受講申し込み者数は191名で、これまで子育て・家族支援者として活動してきた方も多くいらっしゃいますが、学生は3名で男性は7名でした。仕事をお持ちの方や子育て経験のない方などもいらっしゃいました。  最終的に第1回では、40名が子育て支援員修了証を取得されました。残った方もいらっしゃいますが、一部科目でも修了すれば、その科目はもう認定されるので、次回以降に継続して、ほかの科目を受講することができますので、今後多くの方が修了されていくものと期待をしております。  実際に各事業で活動を開始するにあたっては、それぞれの事業の場所で事業者として登録することが必要となります。 ○委員(ちほぎみき子君) ありがとうございます。そういった大事な子育て支援員の研修ですけれども、平成27年度に創設した国の制度というのがベースにありまして、基本となる研修制度のカリキュラムも国で示されているそうです。港区においては、平成16年度から開始されている子育て広場あい・ぽーとでの子育て・家族支援者養成講座という、私も視察に行かせていただきましたが、すばらしい講座の地域資源があるのです。こういった質の高い研修を実施されているのが、あい・ぽーとだと思います。  そこで質問ですけれども、この研修制度は、港区バージョンと言うのですか、そういうのは実際どのような内容で行われているのでしょうか。また、今回受けられた参加者の方々の感想なども教えていただける範囲でお伺いできればと思います。 ○子ども家庭支援センター所長(保志幸子君) 研修は、国が示す科目に港区としてのオリジナル科目を追加し、基本研修・共通科目・専門科目・実習とで構成されております。基本研修では、地域における子育て支援の必要性や子どもの発達や支援を必要とする児童への対応、共通科目では、乳幼児の安全管理、アレルギー対応、職業倫理などがあります。専門科目では、これから認定される授業そのものの概要、また、事例検討、保護者対応、そして救命救急実習や保育現場の見学なども含まれております。区としては、これにプラスして児童・学童期の支援や支援を要する児童への対応についてに力を入れていたり、支援者自身のメンタルヘルスなどについても科目を追加したりしております。  感想の一部をご紹介いたします。家族の問題が多様化し、保護者はそれぞれポリシーを持っています。私自身もみずからの経験だけでなく、再認識しなくてはならない点が多々あり、固定観念を捨て、子どもと保護者を見守っていく心の余裕を持ち、共感的に子育て支援をしていきたいと思いました。もう一つご紹介します。私は子育てをしたことがないので、子どもへの接し方や子どもとかかわる際の心の持ちよう、環境の大切さなど、さまざまなことを研修で学びました。この経験を生かし、子育て支援員としての活動に取り組んでいきます。  以上です。 ○委員(ちほぎみき子君) ありがとうございます。本当に小さな子どもに接するということで幅広い知識、また時代や場面に合った対応の力を養成していくことは大変なことだと思います。今の感想などを聞かせていただくと、そういった港区子育て支援員になりたいと志を持っていただいた方が子育てだけではなく、それまでのさまざまな自身の経験を生かしながら、子どもを介して地域に根づいて信頼を広げていっていただきたいと思います。また、お仕事としても収入を得ることができるという、そういった制度ではないかと思います。とてもそういった面では魅力的な港区の子育て支援員研修と感じておりますので、こういった研修制度を多くの方に積極的に参加していただいて、港区の子どもたちの育ちに貢献していただきたいと思います。  現在、スタートしてみて課題が何かありますでしょうか。また、今後はどのように取り組んでいかれるかについて、お考えをお伺いいたします。 ○子ども家庭支援センター所長(保志幸子君) 第一の課題は、研修を受講していただく方を増やしていくことです。その一環として、本年7月に港区みんなと子育てシンポジウムを開催いたしました。港区内でさまざまな立場で子育て支援活動をされている個人や団体が一堂に会し、学識経験者等によるシンポジウムとポスターセッションなども実施しています。日ごろ、支援者として活動していらっしゃる方から、活動を通して感じる喜びについて語っていただく一コマもありました。参加人数は180名で、企業からの参加もありました。  第二の課題は、研修を受講した方の実際の活動を今後とも長く支えていくことが課題であると考えております。国では、研修後のフォローについて詳細には示していませんが、区ではバックアップ研修などを設定しています。また、港区子育て支援員修了証を取得した後の活動について、実際の活動場所をご紹介したり、相談を実施するなど、当事者の意見も伺いながら、今後ともきめ細かく支援してまいります。 ○委員(ちほぎみき子君) ありがとうございます。実際に業務に携わった方の現場の声をこれから聞いていくことが非常に大事かと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  以上で終わります。 ○委員長(大滝実君) ちほぎ委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(大滝実君) 次に、風見委員。 ○委員(風見利男君) それでは、孤独死・孤立死を生まないための質問をしたいと思います。区民から地域の高齢者の様子がおかしいなど、体のぐあいが悪いようだとの電話があった場合に、区の職員がすぐに訪問する。あるいは高齢者相談センター、地域包括センターに電話をして様子を見に行ってもらう。これは区がやるべき仕事だと思いますが、いかがでしょうか。 ○高齢者支援課長(茂木英雄君) 民生委員や近所にお住まいの方などから、区や高齢者相談センター等に様子がおかしい、体調が悪そうだ、数日見かけていないなど、その地域の高齢者に関する通報があった場合、その方のこれまでの相談状況や親族等の情報を確認の上、各地区総合支所の職員、高齢者相談センター、ふれあい相談員等が連携をして、訪問等により状況を確認した上で医療機関や介護サービス等の必要な支援に適切につなげるなどの対応を日常的に行っております。 ○委員(風見利男君) 赤坂地区に住む高齢者が誰にも看取られることなく亡くなるという悲しい出来事がありました。水漏れに気がついた大家が部屋の鍵をあけたところ、お風呂場で倒れて、既に亡くなっていたと。警察署の検視が当然入るわけですけれども、高齢で病み上がりということもあり、大家が区民課の保健福祉係に電話を入れたにもかかわらず、後ほど検討して電話をしますと言ったきり、電話がありませんでした。普通こういう電話があれば、すぐに職員が訪問する、高齢者相談センターに連絡して訪問してもらう、これが当たり前だと。今の答弁の中でもあったと思うのですけれども、大家が区の担当者に亡くなったとの電話を入れたにもかかわらず、区民課長にそのことを報告もしていない。人の命を何だと思っているのか。私は怒り心頭でした。  電話では相談を受けたけれども、区がかかわっていないとでも言い逃れをするのでしょうか。区民課保健福祉係の仕事は、1、高齢者、障害者、ひとり親家庭の助成のサービス受付及び相談に関することとなっています。このような電話が区民からあった場合に、何を差し置いても区民のところに駆けつけると。これが福祉に携わる職員の仕事だと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○赤坂地区総合支所区民課長(沼倉賢司君) ご本人がお亡くなりになられたことは、大変残念なことと受けとめております。心からご冥福をお祈り申し上げます。また、職員一同、悲しい結果にショックを受けております。  我々福祉に携わる職員は、ケースワーカーから係長や課長といった管理監督者に至るまで、区民の相談にあたっては、常にそれぞれの実情に応じた懇切丁寧な対応をすることが使命と考えております。  今回の件につきまして、簡単に事実経過をご説明させていただきますと、大家から我々が初めてご相談をいただきました8月ですが。
    ○委員(風見利男君) 言いわけしなくていいから。そんなことを聞いてないでしょう。二度とこういうことが起こらないようにどうするかなのだから。 ○赤坂地区総合支所区民課長(沼倉賢司君) 今回につきましては、ご相談をいただきました大家並びに元の奥様のお話から、生命・身体に重大な事態や安否不明の状態が続いているといった情報が確認できなかったため、元の奥さまがご本人と一緒にご来所いただくというお話をいただき、ご来所をお待ちすることとしておりました。  今後とも区民からのご相談に対しましては、さまざまなケースを想定した上で関係機関としっかりと連携をして、迅速かつ丁寧に対応してまいります。また、万が一、生命・身体の重大な事態が予測される場合には、直ちに安否確認を行ってまいります。 ○委員(風見利男君) 私、そんなことを聞いてないのですよ。質問ではプライバシーのことがあるから細かく言ってないわけです。あなたは大家から電話があって、その方がビルの入り口で倒れていらっしゃって、大家が救急車を呼ぼうかと言ったら、救急車ではなくて病院に行きたいと言うから、わざわざ病院に連れていって。診療代もその方が払って、そういうことまで全部電話で話しているではないですか。緊急事態です。だから行かなければいけなかったのですよ。だからこういう結果になっているわけですよ。本当に人の命を何だと思っているのかということです。もう二度とこういうことがないようにしっかりやってください。  あなた方は言いわけばかりしようとするのですよ、こういうことが起こったときに。そんなことで福祉はやっていられないですよ。これが福祉の窓口の対応かということですよ。ぜひしっかり認識してもらいたい。もう二度とこういうことがないように。このようなことをこの場で質問するという気持ちを考えてください。  次に、公衆浴場の確保策について質問します。公衆浴場は、区民の清潔で健やかな暮らしを確保するためだけでなく、区民相互の交流の場として重要な施設です。今、どこでも後継者問題が深刻です。ひとたび病気になれば、やむなく廃業せざるを得ない事態です。毎日営業しているのは、ふれあいの湯を入れて、港区では既に4軒になってしまいました。ふれあいの湯では、近隣の浴場の閉鎖の影響で、利用者が月1,000名前後増えて入場を待つ列ができるほどです。これ以上、個人の努力任せでは、営業を続けることが困難になっています。区民の保健衛生を守ること。区民の貴重な交流の場がなくなる危険があります。このことをどう認識しているのか、まずお聞きしたいと思います。 ○保健福祉課長(西田京子君) 公衆浴場は区民の衛生水準の確保をはじめ、区民同士のふれあいや交流の場として、地域に根づいた貴重な施設であることから、廃業になることは区民生活に大きな影響を及ぼすものと考えております。 ○委員(風見利男君) 公衆浴場は広い敷地が必要なために多額な経費が必要です。相続ともなれば、億という税負担となり、廃業のきっかけにもなると言われています。港区では、公衆浴場を減らさないためにさまざまな支援を行っています。それは大事なことだと思います。しかし、今求められているのは、公的な役割を担っている公衆浴場への財政支援をいままで以上に抜本的に強化することが必要だと思います。また、第2のふれあいの湯の設置にも着手すべきだと。こういう時期だと思いますけれども、それぞれ答弁を求めます。 ○保健福祉課長(西田京子君) 区は、これまで区内公衆浴場の転廃業を防止し、経営の安定化を図るため、経営助成補助金等10種類の財政支援を行ってまいりました。財政支援のさらなる拡大については、現在、東京都が実施している公衆浴場へのさまざまな支援も踏まえ、これまでの区の取り組みをまず検証してまいります。また、新たな区立公衆浴場の建設につきましては、今後の検討課題とさせていただきます。 ○委員(風見利男君) 今後の検討課題と言っているうちに、またほかの銭湯がなくなってしまうことになりかねないので、ぜひ用地の確保も含めて頑張っていただきたい。  そこで問題になるのが、運営する人の確保だと思うのです。人材育成をしていかないと大変なことになります。厚生労働省の公衆浴場概要でも経営者の高齢化、後継者がいないなど事業継続が困難になっていると後継者問題での大変さを示しています。ぜひ東京都公衆浴場業生活衛生同業組合港支部の皆さんのご意見を伺いながら、全国的に人材を募集すると。こういう大胆な取り組みをしていかないといけない時期だと思いますが、いかがでしょうか。 ○保健福祉課長(西田京子君) 人材確保は、基本的には公衆浴場の事業所によるものと考えておりますが、広域レベルで公衆浴場への支援を行っている東京都とも連携し、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合港支部とともに人材確保、さらに人材育成について、課題を整理した上で対策を検討してまいります。 ○委員(風見利男君) 先ほど保健福祉課長に答弁していただいたとおり、区民の健康保持あるいは交流の場として大変貴重なのが公衆浴場なわけで、これ以上の減少は少なくとも歯どめをしなければいけません。今あるふれあいの湯だけでは、この界隈の対応ができないわけですから、ぜひ第2のふれあいの湯の設置についても、幸い港区内には公有地がたくさんあるわけで、そこを活用する手立てもぜひ対応していただきたいと強くお願いをしておきたいと思います。  次に、精神障害者にも心身障害者福祉手当を支給することについて伺います。2011年度に障害者基本法の一部を改正する法律が成立しています。障害者の範囲が拡大されたようですが、その内容とこの中で港区心身障害者福祉手当の対象になっていないものがあれば教えていただきたい。 ○障害者福祉課長(加茂信行君) 平成23年度の障害者基本法の改正では、障害の範囲について、改正前は身体障害、知的障害または精神障害としていましたが、障害の範囲に発達障害や難病に起因する障害が含まれることを明確にする観点から、発達障害については精神障害に含むものとされました。また難病については、そのほかの心身の機能の障害に含むものとして位置づけられました。これにより、改正後の障害の範囲は、身体障害、知的障害、発達障害を含む精神障害、そのほかの心身機能の障害と定義されました。この中で、発達障害を含む精神障害については、港区心身障害者福祉手当の対象としておりません。 ○委員(風見利男君) この前の法改正で障害者が受ける制限は機能障害のみに起因するものでなく、社会におけるさまざまな障壁と相対することによって生ずると言われる社会モデルの考え方を踏まえて、障害者の定義を見直し、対象を難病などに拡大していきました。  国の障害者の定義の対象拡大にもかかわらず、港区として、1つだけ逆行しているのが精神障害者には港区心身障害者福祉手当を支給しないことです。どの法律を読んでも、精神障害者は障害者の規定なのです。排除することはできないはずです。既に23区の中でも品川区、杉並区、足立区、大田区では、精神障害者にも心身障害者福祉手当をきちんと支給することに取り組んでいます。ぜひ港区でも決断すべき時期だと思いますが、いかがでしょうか。 ○障害者福祉課長(加茂信行君) 心身障害者福祉手当は、各区が独自に対象者や金額を定め実施しており、現在、港区を含む19区が精神障害を対象にしておりません。区は住民に一番身近な基礎自治体として、障害の種別や重さなどに応じ、その方に必要なサービスをきめ細かく提供することを施策の柱に据えております。今後も精神障害者の方には障害の特性を踏まえ、心身障害者福祉手当を支給するのではなく、精神障害者が地域で安心して生活できるよう、ご本人やその家族から希望のある就労や居住の場の確保、相談支援体制の整備などを重点的に推進し、自立した生活の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。 ○委員(風見利男君) 全く今までの答弁と変わってないわけですけれども、身体障害者であろうと知的障害者であろうと、その障害に見合ったさまざまな施策はやっているわけです。精神障害者には特別にやっているということではないわけで、これは当然なことなわけです。ただ問題なのは、同じ障害者でありながら、精神障害者の方だけが心身障害者福祉手当の対象になっていないと。これが一番の問題なわけです。障害者に対する施策をやっていることは私もわかっていますけれども、なぜこの心身障害者福祉手当だけを排除するのかと。これがわからないわけです。  ことし4月には、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法が制定されました。港区は、そのほかにも港区障害者福祉推進基金をつくりました。ですから、障害者に対する施策が差別もしてはいけないと。障害があろうとなかろうと同じ扱いと。ただ障害者の中でも精神障害者だけは心身障害者福祉手当を支給しないと。これだけが港区の中で一番の問題になっているわけで、19区がやってないから港区もその一員だから胸を張って支給しませんよと。こんな態度ではまずいと思うのです。ぜひ先進的に取り組んでいる4区に見習って、一日も早く精神障害者にも心身障害者福祉手当を支給するという条例改正をしていただきたい。いかがでしょうか。 ○障害者福祉課長(加茂信行君) 繰り返しになりますけれども、区としましては、精神障害者の方の特性を踏まえまして、また、ご本人やご家族のご要望にあります就労や居住の場の確保、相談支援体制の整備などに重点的に取り組んでまいります。 ○委員(風見利男君) それは取り組んでください。それとあわせて心身障害者福祉手当も一日も早く支給できるようにぜひご検討いただきたい。終わります。 ○委員長(大滝実君) 風見委員の発言は終わりました。  議事の運営上、暫時休憩いたします。再開予定は3時30分といたします。                 午後 3時10分 休憩                 午後 3時30分 再開 ○委員長(大滝実君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  歳出第4款民生費の質疑を続行します。  初めに、有働委員。 ○委員(有働巧君) 初めに、高齢者などへの終活支援(エンディング・サポート)事業についてご質問いたします。  私たち人間は、好むと好まざるとにかかわらず不平等な存在です。世も社会も、不公平・不公正が存在しなかった時代はないと言っても過言ではありません。ただ、それが当然であると無力感にさいなまれるだけではなく、その不条理、理不尽さに立ち向かって、少しでもよりよき世界に変えていこうとする正義・倫理の概念が、社会に健全さと希望を与えると思います。我々政治家も、その一端を担っている自負をもとに、重い責務を担っていかなければなりません。  一方で、我々人間に平等に与えられているもの、それは死です。一度きりの人生、激しく生きようが、楽しく生きようが、一瞬であろうが、その先に確実にあるものです。例えば、死を讃える、個人をしのぶ葬儀は、時として国の威信を示す儀式として盛大に行われもしてきました。また、葬儀に参列すれば、地域コミュニティの結束の1つの指標として、如実にあらわれたりもします。  テーマが重いのでユーモアも入れなければいけないのですが、最近、人気が復活されていた田中角栄元総理の話でいうと、秘書の早坂茂三の父親が亡くなったときに、田中角栄氏はこのように言ったそうです。「いいか、世の中というものはな、何をもって二代目を一人前と見るかといえば、それは葬儀だ。おやじの葬儀をせがれがきちんと取り仕切れるか、それを見て判断するのじゃ」と。  これまで延々と営まれてきた国家の品格、人々の人情・情緒と形。しかし、家族形態の多様化と社会構造の変革の中、世は、変わらないものもあれば、大きく変わってきているものもあります。お披露目になる儀礼が参列者がいない、業務関係者だけが存在する。個人を悼むにも、個人が何者でいらっしゃったのか、どのような人生を歩んできたのかもわからない。自由を手にすることと孤独はセットなのかもしれません。これを文化度の高さということとするのか、少子化、未婚率などの上昇により老後を語るとき、それは如実にあらわれます。  区は、増加するひとり暮らし高齢者の生活とその課題について、以前より高い関心を持って調査・研究し、そして課題解決に向けてさまざまな事業に取り組んでまいりました。その課題解決に向けて、避けては通れない課題がこの終活問題です。そこで質問です。現在、身元がわかっていながら引き取り手がいない事例など、どのぐらいありますでしょうか。また、身寄りのない、引き取り手のいない独居老人の方がお亡くなりになった場合は、どのような対応になっているのか、お伺いいたします。 ○生活福祉調整課長芝地区総合支所生活福祉担当課長兼務(伊藤忠彦君) 平成27年度に身元がわかっていながら引き取り手のいない方は、港区で12名いらっしゃいました。病院やご自宅でお亡くなりになった方について、身寄りもなく引き取り手がいない場合は、病院や警察などから、死亡した場所の区や市にご遺体を引き取るよう連絡が入ります。区は、火葬を行うまでの間に、早急にその方の親族調査を行いますが、引き取る親族が誰もいない、親族が判明しない、親族はいるが引き取りを拒否された等に該当する場合には、墓地、埋葬等に関する法律に基づき区長がその方の火葬を行うことになります。区は、火葬後も親族の調査を引き続き行い、親族が判明した場合には、遺骨の引き取りを親族にお願いしていますが、最終的に引き取る方がいない場合には、寺院等に遺骨の保管をお願いしています。火葬後5年が経過し、その間引き取られなかった遺骨については、その寺院で無縁仏として合葬等が行われます。 ○委員(有働巧君) ありがとうございます。12名の方ということですね。このテーマを考えていると、やはり、飛ぶ鳥跡を濁さずという言葉が頭を離れません。突然亡くなられる、訪れる死への対応。亡くなるときは、先ほどの冒頭の話ではないですけれども、少しでも平等に、そしてご遺志を尊重するべきであると、その思いを強くしております。  そこで質問ですが、これまで区は、終活問題を取り扱った各種講演会など情報提供に努めていらっしゃいました。葬儀、納骨、死亡届人、リビング・ウィルなどの課題を生前にあらかじめ解決して、生き生きとした生活を送れるように、横須賀市などの先行自治体、このようなものを先駆的にやっている自治体もありますが、区も、関係機関、協力事業者とともに、より高度な総合的な終活問題解決に向け積極的に動くべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。 ○高齢者支援課長(茂木英雄君) ひとり暮らしの方をはじめ、高齢者の中には、自分自身が望む葬儀や納骨、相続などを実現することに高い関心をお持ちの方もいらっしゃいます。老後を自分らしく生きるため将来に備える活動として終活を行うことで、ひとり暮らしの高齢者が人生の終わりに向け、何が必要なのか、何を準備しておけばよいのかなどの不安を解消する効果が期待できます。  現在、区では、高齢者相談センターが弁護士による人生設計や老後の財産管理、遺言や葬儀に関する講座、また医療関係者による看取りや終末期についての講座を開催し、参加者からは、大変に参考になった、現在の暮らしの状況の整理がついたなど好評をいただいております。今後も引き続き、高齢者相談センターと情報を共有して、他自治体の事例やその利用状況も参考にしながら、高齢者に安心して老後を暮らしてもらえるよう、終活支援の取り組みについて検討をしてまいります。 ○委員(有働巧君) これは心の問題、家族の問題、今後の日本の、また港区のあり方という、大きな深いテーマです。今後も真正面から向き合っていただくことをぜひともお願いいたします。  次に、認可保育園などの満1歳入園予約制についてご質問いたします。  国は、待機児童の解消に向けて、認可保育施設などへの入園予約制の導入を促す方針を決め、事前に予約して1歳で入園できるようにすることで、それまでの間は育児休業をとりやすくするとのことです。そして、予約制を設ける自治体を支援するための必要経費を平成28年度予算の概算要求に盛り込むとのことです。新聞の1面に載ると、1歳までは育児休暇を取得して、1年後には仕事に確実に復帰できると思われる区民の方も多く出てくると思います。世にカリスマのリーダーがあらわれると、イケイケの議論の中、検証の甘い政策が進んでいくというのも世の常であります。やはり、進めるところは進めながら冷静な議論も必要であるのではないかと思います。  そこで質問ですが、入園予約制の先行自治体である港区の現在のシステムについてお伺いいたします。 ○保育担当課長(増田玲子君) 区では、育児休業法そのほかの法令による育児休業を取得し、お子さんの1歳の誕生日またはその前日に復職を予定している保護者の方を対象に、平成18年度の入所から育児休業明け入所予約制度を実施しております。育児休業明け入所予約制度は、区立認可保育園、芝浦アイランドこども園、一部の港区保育室において、各園2名から3名の枠を確保しております。入所の申し込みを受けた後、基準指数による選考を行い、指数が同点の場合には抽選を実施して入所者を決定しております。今年度は53名の方の入所予約が決定しております。 ○委員(有働巧君) わかりました。今後、国も積極的に支援するということですが、入園予約制の課題と今後の方針についてお答えください。 ○保育担当課長(増田玲子君) 育児休業明け入所予約制度は、保護者が安心して育児休業を取得できるとともに、4月入園の申し込みができない早生まれのお子さんが年度途中にも入所できる制度となっております。一方、保育定員の枠を入園までの間抑えるため、入園までの間、空きにしておかなければならないという側面や、自営業の方は育児休業制度の適用がなく利用対象外となるかという課題があります。区は、引き続きこの制度を継続していくとともに、さまざまな手法により待機児童解消対策に取り組み、保育を必要とする家庭が安心して子育てできる保育環境の整備に取り組んでまいります。 ○委員(有働巧君) 国では安倍総理、東京都では小池都知事が、本気で待機児童解消の解決を図るということです。先行して待機児童解消に取り組んでいらっしゃって、冷静な議論をもとに着実な実績を上げていらっしゃった武井区長に、今後もぜひとも期待したいという思いを抱きました。  次に、台場の児童館などの自習環境の充実についてご質問いたします。  小学校の放課後というと、皆様、どのような記憶がありますでしょうか。私の時代は、缶けりやめんこをしたりしていた世代ですし、野球をやって、キャプテン翼がいてサッカーに移行したような時代だったと思います。また、友達の家にも結構普通に行けて、そこでおやつをいただいたりしながら、少しだけ勉強して、あとはほとんど遊んでいたような。皆様にもいろいろな思い出があると思いますけれども、一人ひとり成長する上でいろいろな時間、場所で過ごされたのではないかと思います。しかし、現状、親がいない環境で時間を過ごすことがスタンダードにもならんという現実が港区にもあります。そのような環境の中で、その受け皿の、安心して子どもたちが過ごせる、安全を担保している環境の1つが児童館であるとも言えると思います。  建物内外での地域児童の健全な発展を支援する児童館は、子どもたちに遊びを保障する活動を実施しておりますが、例えば、台場の児童館などにおいては、自習などの学習をしている児童も多く見られます。しかしながら、自習するという意欲もあるのですが、せっかくのその意欲を満たせない環境にもなっております。  台場の児童館の事情ですけれども、一方で、隣接する同フロアの図書室には、学習できる机や椅子などはもちろんあり、静かな環境で図書を活用して学習しております。そのような中、机と照明がバーッと置いてあるのですが、そこはもう満席になっていまして、あとは、照明もないようなところにも机と椅子があるのですが、そこも活用して、それを含めて満席というのが、夕方の大体の状況です。現状では、区は、区民・地域のニーズに合わせ、児童館においても児童福祉法第40条に規定されている以上の柔軟な対応をされていらっしゃると思います。  そこで質問です。区は、児童館等において放課後に自発的に学習をしている児童・生徒たちに見合う学習環境を提供していくことに対して、どのような見解をお持ちなのかお答えください。 ○子ども家庭課長(長谷川浩義君) 子ども中高生プラザや児童館では、放課後等の適切な遊びや生活の場を提供し、児童の健全育成を図っております。年少人口の増加により、全ての施設が多くの児童でにぎわっている中では、宿題や自習を行う児童のために独立したスペースを確保することが困難な状況にございますが、パーテーション等による仕切りを設けたり、テーブルに勉強中の札を立てるなど、それぞれの施設が工夫をして、学習に適した環境づくりに努めております。また、遊んでいる児童に対しては、学習のスペースで騒ぐことのないよう注意喚起をしております。今後も、さまざまな工夫をしながら、施設を利用する児童がそれぞれの目的に沿った活動をしやすい環境づくりに努めてまいります。 ○委員(有働巧君) パーテーションの話や、先ほど私が申し上げていたのは2階フロアの話ですけれども、3階に自習スペースというか、つくっていただいたり、そのようなご努力は本当にすばらしい、即時的な対応をされていらっしゃるなと思います。  台場の2階の同フロアの台場区民センター図書室と併設して、9時から17時まで使用できる多目的室があります。この多目的室は、現状では、台場分室の業務終了にあわせて17時にシャッターが閉まって、使いようがないのですが、しかし、せっかくこのような資源があるわけですから、17時から例えば児童館業務終了の19時まで、台場区民センター図書室の業務終了の20時ぐらいまで、学習環境の充実につながるように、趣を変えて開放をぜひともしていただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。 ○芝浦港南地区総合支所副総合支所長・芝浦港南地区総合支所管理課長兼務(亀田賢治君) 現在、台場区民センター図書室脇の台場分室の多目的室につきましては、平日午前9時から午後5時まで開放しておりまして、室内には乳幼児用の椅子とテーブル、調乳用ポットやおもちゃを用意して、乳幼児を連れた保護者の憩いの場としてご利用いただいております。多目的室の利用方法の見直しを行うためには、施設の管理体制の検討や現在の利用者の方の意向を確認する必要があると考えております。台場児童館につきましては、遊びや読書をする子どもにとって、学習する子どもにとっても、自発的に子どもたちの意欲を高められるよう、各フロアの部屋の利用方法を工夫しております。引き続き、子どもたちが安心して学習に取り組める環境の整備についても検討してまいります。 ○委員(有働巧君) ぜひとも前向きに、地域の総合的な資源を十分に活用して対応していただきたいと思います。  質問は以上です。ありがとうございました。 ○委員長(大滝実君) 有働委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(大滝実君) 次に、横尾委員。 ○委員(横尾俊成君) 初めに、高齢化に伴い認知症の患者が増加している現状に対処するべく、高齢者見守りキーホルダーの導入についてお伺いします。  内閣府が20歳以上に対して行ったアンケートでは、認知症になってもそれまで暮らしてきた場所で生活したいと希望する人が約3割いたそうです。一方、認知症の行方不明者数は年間1万2,000人に上っているとされています。平成37年には65歳以上の5人に1人が認知症や認知症予備軍になると推測されていることも考え合わせると、今後、家庭の中で認知症に向き合わなければならないケースがもっと増えてくるかと思います。そこで必要なのは、認知症対策の充実化です。  港区では、徘徊探索支援として位置情報探索機によるサービスを提供しています。しかし、GPSでは、認知症の方がどこにいるかを探すことができますが、緊急時に救急隊や家族に連絡をとることも、またその方の病歴をすぐに知ることもできません。そこでご提案したいのが、高齢者見守りキーホルダーの導入です。これを現在のGPSによるシステムと併用すれば、より効果的かと思います。  高齢者見守りキーホルダーとは、高齢者が持つプラスチック製の小さいキーホルダーです。プラスチックの中に紙が入っており、そこに記載されている番号を医療関係者や警察署が行政に問い合わせることで、住所や氏名、緊急連絡先、かかりつけの医療機関、病歴などをすぐに確認することができます。65歳以上の希望者は、あらかじめ地域包括支援センターで登録することでこれを利用することができます。病歴などの個人情報は年に一度更新するため、比較的正確な情報を得ることができるということです。  この事業を始めた大田区では、高齢者の5人に1人がキーホルダーを携帯しており、導入した平成26年から翌年の11月末までに病院や警察署、消防署から、体調不良や徘徊にかかわる110件の登録者の照会の問い合わせがあったそうです。現在では17の自治体に普及しています。また、最近、東大阪市では、登録している認知症高齢者の衣服や靴などにQRコードのついたシールを貼りつけ、行方不明となった場合に発見者がスマートフォンなどをかざすと、東大阪市の連絡先が表示されるというシステムも始めたそうです。シリコンバンドやブレスレット型のものもあるなど、さまざまな自治体がこのような仕組みの導入に向けて動き始めています。  そこで、港区でも、高齢者が住み慣れたまちで安心して暮らせるよう、高齢者見守りキーホルダーのような仕組みを導入するべきと考えますが、お考えをお聞かせください。 ○高齢者支援課長(茂木英雄君) 区では、平成13年度から高齢者徘徊探索支援事業として、認知症の高齢者が居所不明となった場合、GPSによる探索を行い、居場所を家族等に知らせるサービスを実施しております。この事業の対象は、位置情報を確認したあとに迎えに行く家族等がいる高齢者となっており、平成27年度末現在、15名の方が登録をしております。医療関係者や警察署が行政に問い合わせることで住所や氏名、緊急連絡先などを確認することができる高齢者見守りキーホルダーや、見守りシールあるいは連絡カードなどを配布している自治体は、現在8区あります。今後、他自治体の事例も参考にしながら、高齢者徘徊探索支援事業と併用することによる効果も踏まえ、高齢者が住み慣れたまちで安心して暮らせるよう、高齢者見守りキーホルダーの導入について検討してまいります。 ○委員(横尾俊成君) ぜひ前向きに検討していただければと思います。同様の徘徊者探索支援というのは、障がい者に対しても同じような制度があると聞いておりますので、このようなことにも併用もできるかと思いますので、ご検討をあわせてお願いしたいと思います。  次に、子育てシェアの仕組みについてです。働きながら子育てを行う人が増えたことに伴い、子育てに十分な時間をかけられない家庭が増えています。女性はこれまで以上に自分の時間を確保することが困難になりました。そのような中、平成28年第1回定例会でお話しした子育てシェアが1つの解決策として注目を集めています。  子育てシェアとは、株式会社AsMamaなどが取り組んでいる仕組みで、子育てをする余裕がある高齢者や子育て体験をしてみたいと思う学生、また比較的手のあいているパパやママに、お子さんを一時的に預けることができるサービスです。これらのサービスは、お子さんを預ける側からも預かる側からも評判は高く、AsMamaの子育てシェアの登録者は現在4万人に上った後も伸び続けているなど、ここには大きな潜在需要が伺えます。需要に供給が追いつかず、子育てシェアのマッチングの実現率は80%となっており、5人に1人はシェアしたいときにできない状況になっています。また、任意団体manmaが実施しているサービスは、学生たちが子育て家庭に行き、家事や子育てなどのお手伝いをするというものですが、こちらも親御さんたちに大好評のようです。  ご紹介したAsMamaもmanmaも民間の団体として活動していますが、このような需要を見るにつけ、これらのサービスは行政がサポートしていくのにも値するかとつくづく思っています。千葉県の栄町では、AsMamaが実施する子育てシェアに対して補助金の給付を決定いたしました。子育てをシェアしたいと思っている親御さんが少しでもこのサービスを利用しやすくすることが目的です。港区にも育児サポート子むすびなどの事業がありますが、先ほど熊田委員からもご指摘ありましたけれども、協力会員が思うように増えないなどの課題があります。  そこで港区でも、まずは、このようなサービスを提供する民間の事業者の意見を聴取しつつ、行政と事業者が協働して子育てシェアの取り組みを進めるのはいかがでしょうか。ご意見をお聞かせください。 ○子ども家庭支援センター所長(保志幸子君) 区はこれまで、地域全体で子育て家庭を支援するため、一時預かり事業や派遣型一時保育事業などの支援者の育成に取り組みまして、平成28年度からは、質の高い支援者を数多く育成するため港区子育て支援研修を開始し、担い手はさまざまな世代の男女へと広がっています。子育てシェアにつきましては、行政としてかかわる場合、安全性の確保や保育の質の担保、また、利用される方の保育契約形態の確認などが課題であると考えております。民間を含めたさまざまな子育て支援活動については、港区地域こぞって子育て懇談会や港区地域こぞってネットワーク会議、本年度は港区みんなと子育てシンポジウムにおいても、活動紹介や団体交流を行っております。横尾委員ご紹介のmanmaを実施している学生の方にもネットワーク会議やシンポジウムなどに参加していただきまして、皆さんに活動説明をしていただきました。 ○委員(横尾俊成君) ぜひ、このような民間の団体とも協力しつつ、需要に対して供給が追いつかない状況を解消していただければと思っております。  最後に、在宅での子育てサポートの充実化についてです。港区では現在、保育施設の整備や私立認可保育園の誘致、小規模保育の実現など、さまざまな形で待機児童対策を行っています。核家族が増える中でさらに必要なのは、家庭でどのような子育てを行うべきかという悩みにも答えていくことです。日本労働組合総連合会が実施した調査によると、約7割の人が子育てに対して不安や負担に思うことがあるという結果が出ています。また、子どもが欲しくないと答えた人の中で約半数が、きちんと育てる自信がないとも答えています。  フィンランドでは、妊娠がわかった時点で、母親がネウボラと呼ばれる施設に行きます。ネウボラとは、フィンランドの自治体が提供している子育て支援施設であり、6歳になるまでの間、無料で子育てに関する面談など基本的な支援を受け続けることができます。保育士や助産師が常駐しており、1回30分から1時間程度の面談時間がとれること、さらに、産後から1歳までの間、健診は保育士のものが10回、医師によるものが3回受けられることなどが特徴です。妊娠の兆候があった場合、病院ではなく自分の地域のネウボラに行くというほど、地域に浸透しております。  また、日本と同じく核家族が多いスウェーデンでは、オープン・プレスクールというものがあります。これは、専業主婦で保育所に預けることができない家庭のために、いつでも無料で利用できる施設になっています。ほかの親子との交流の場ともなっており、ベテランの保育士が常駐しているため、子育てを不安に思っている方々のストレス解消にもつながっています。  主に在宅での子育てに対して、行政からの無償でのサポートが充実していれば、待機児童の減少にもつながっていくかと思います。ご意見をお聞かせください。 ○子ども家庭支援センター所長(保志幸子君) 区では、これまで実施していた乳幼児健診や訪問相談に加えまして、平成27年度4月から、産後母子ケア事業として助産師相談や、1か月から2か月の赤ちゃんとその保護者の交流会、また子育てコーディネーターによる相談支援事業を開始し、各地区総合支所、みなと保健所、子ども家庭支援センターなどが連携して、妊娠期からの切れ目のない相談支援を実施しています。また、主に在宅子育て家庭への支援事業として、子育てひろば事業や、保育園による保育園であそぼう、児童館では乳幼児活動を実施しており、全て無料で参加することができます。今年度からは、子ども中高生プラザや子ども家庭支援センターなど区内8カ所の施設で、保護者を対象にノーバディーズパーフェクトなどの親支援プログラムを実施中で、合計100名を超える受講者を予定しております。本年3月にスタートした港区出産・子育て応援メールには、8月までの6カ月間に1,020名の登録がありました。  区のさまざまな子育てサポート情報を積極的に提供し、各家庭に見合った事業や施設のご利用を促していきたいと考えております。今後とも、さまざまな手法により子育て家庭の孤立化を防ぎ、不安の解消に努めてまいります。 ○委員(横尾俊成君) 今ある子育て支援施策はたくさんあるのですけれども、世田谷区も、このような今ある支援施策を統合して総合的に継続的に行うということで、ネウボラに視察に行ったり、各自治体がこのような取り組みに対して参考にしていると聞いております。ここに行けば全て解決するというような場所をぜひ、わかりやすい場所で区民に理解していただきながら、フィンランドのような、妊娠の兆候があったらネウボラにまず行くというように、区の施設に行くような流れになることを期待して、質問を終わります。 ○委員長(大滝実君) 横尾委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(大滝実君) 次に、土屋委員。 ○委員(土屋準君) 民生費におきましては、まず、待機児童対策についてお伺いいたします。待機児童対策については、これまでも多く取り上げてきておりますので、私からは2つお伺いしたいと思います。  初めに、区立公園への保育園設置についてお伺いします。私も平成28年第2回定例会の代表質問で、国家戦略特区制度を活用し都市公園への保育園設置に向けた検討を行うなど、さまざまな手法をとる他自治体の取り組みを紹介させていただきました。品川区では、大井競馬場駐車場を活用したり、渋谷区でも代々木公園を活用した保育施設の設置に取り組んでいるようであります。そのような中で、一方、杉並区では、すぎなみ保育緊急事態宣言が出され、公園内に保育施設を整備する取り組みを始めるとともに、代替の公園の開設を提案しているようですけれども、住民からは反対の意見が出ていると聞いております。公園の活用については賛否両論あるようでございます。  そのような中で、港区でも区立公園内に保育園を設置する計画を進めているということでありますけれども、そこで質問は、その概要と計画が立てられた理由はどのようなものか、また今後の進め方はどのように考えているか、お伺いいたします。 ○保育・児童施設計画担当課長(松井義人君) 港南地域では、急激な人口増加による保育需要の高まりから、待機児童が大幅に増えております。区は港南地域における待機児童解消に向けての検討を進めてきましたが、必要な用地や民間ビル等の確保ができないことから、保育園の整備が厳しい状況です。そのため、都市公園内に設置できる施設の規制を緩和する国家戦略特区制度を活用し、港区立港南緑水公園での私立認可保育園の整備を計画しており、平成30年4月の開設を目指しています。保育園の概要は、定員100名程度、敷地面積は公園面積の約3.7%に当たる約750平方メートル、2階建て延床面積約900平方メートル、開設期間は20年程度と予定しています。本計画の実現には、地域の皆さんのご理解とご協力が不可欠です。現在、芝浦港南地区総合支所と連携し、地元町会や公園の近隣にお住まいの皆様、公園を活用している地元消防団の皆様などに計画案を説明し、ご協力をお願いしています。皆さんからのご意見を踏まえ、早期の実現を目指してまいります。 ○委員(土屋準君) 地域の方などのさまざまな意見を、よく耳を傾けて聞いていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  もう1点は、定住促進指導要綱の見直しによる保育定員の拡大策についてお伺いいたします。港区ではかつて、急減した人口を取り戻すため、港区開発事業に係る定住促進指導要綱を策定し、人口回復に取り組んでまいりました。これは、一定の広さを開発する事業者に対し、面積の一部を主に住宅にするよう求めるルールでしたけれども、現在は人口も回復してまいりまして、住宅の確保というよりは市街地環境の整備、生活利便施設等を付置するというところに重点が置かれているようでございます。  そのような中で、このたび、港区開発事業に係る定住促進指導要綱を見直し、地域型保育事業を追加するほか、子育て支援施設をつくる場合は条件を緩和する内容に変更するということで聞いております。そこでお伺いいたしますが、港区開発事業に係る定住促進指導要綱の見直しによりどのような効果を想定しているのでしょうか。 ○保育・児童施設計画担当課長(松井義人君) 区は本年7月1日に、港区開発事業に係る定住促進指導要綱を見直し、延べ面積が3,000平方メートル以上にかかる建築物などの開発事業を行おうとするときに付置するように努めなければならない生活に便利な施設として、小規模保育事業や事業所内保育事業を追加するほか、子育て支援施設の係数を10倍に引き上げました。開発事業者としては使える建物の延べ面積が増加するメリットがあるため、子育て支援施設の誘致がより促進されるものと考えております。 ○委員(土屋準君) すぐに成果が出るようなものではないと思いますので、まだこれからだと思いますけれども、さまざまな手法に取り組んでいっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、公衆浴場についてお伺いいたします。公衆浴場についてもこれまで取り上げられてまいりましたけれども、私からは、公衆浴場の役割と今後の確保策についてお伺いしたいと思います。  港区では、公衆浴場の確保策として、さまざまな補助事業を実施するとともに、70歳以上の区民等に無料入浴券を配布したり、区民無料開放デーや健康入浴事業の実施等、区民の利用促進も図ってきております。しかし、平成17年度には9浴場あったものが、現在は、ふれあいの湯を含めて5浴場に減少している状況です。区民の方、特に高齢者の方々からは、自宅にお風呂があってもお風呂屋さんに行きたいが近くにないという声や、混雑しておりゆっくり入浴しにくいなどの声を聞くことが多々あります。高齢者の方々のこのような声を聞き、改めて、公衆浴場が厳しい環境の中で果たしている役割は、とても大きいものがあると考えております。  今後、港区においても高齢者人口が増加するなど、社会情勢の変化を捉え、公衆浴場の役割や存在意義について改めて認識していただき、公衆浴場の利用者のニーズに沿った支援をすることで、公衆浴場の確保と発展を図ることができるのではないかと考えております。また、都内での区立の公衆浴場は少なく、珍しいと聞いております。港区立公衆浴場ふれあいの湯は、地域の住民にも親しまれておりますけれども、最近では区外の利用者もいるようだと聞いております。  そこで質問ですが、公衆浴場の振興を図る中で、区立公衆浴場の役割についてどのように考えているか、また、今後の公衆浴場確保策の新たな展開について、具体的にどのように取り組むのかお伺いいたします。
    保健福祉課長(西田京子君) 区立公衆浴場は、区民の衛生水準の確保をはじめ、健康づくりや地域コミュニティ拠点として、区民のふれあいや交流を促進する役割を担っていると考えています。今後の公衆浴場確保策については、今年度実施を予定している港区地域保健福祉基礎調査で、公衆浴場について広く区民の意見・要望を把握した上で、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合港支部との意見交換を深め、公衆浴場が抱えている課題を踏まえ、公衆浴場確保策のさらなる充実に向けて検討してまいります。 ○委員(土屋準君) 区民のニーズも高いものと思いますので、ぜひ取り組んでいっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○委員長(大滝実君) 土屋委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(大滝実君) 次に、杉浦委員。 ○委員(杉浦のりお君) 民生費につきましては、生活・就労支援センターについてお伺いいたします。  昨年の1月、生活困窮者自立支援法に基づき、生活困窮者が増えている課題解決、生活困窮状態から早期に脱却することを目的として、港区生活・就労支援センターを麻布地区総合支所の向かいに設置しました。主な事業内容につきましては、自立相談支援、就労準備支援、家計相談支援、学習相談支援を行い、区内に居住する生活困窮者を対象としております。  そこで伺いますが、まず初めに、現在の相談状況についてどのような傾向が見られるのかお聞かせください。 ○生活福祉調整課長芝地区総合支所生活福祉担当課長兼務(伊藤忠彦君) 港区生活・就労支援センターにおける平成27年度の相談の状況につきましては、性別では男性が44.1%、女性が55.9%で、また、年齢層では50代の方が多く27.5%、次いで65歳以上の方が21.2%、30代の方が20.7%となっております。相談に至った過程として、各地区総合支所の生活保護の窓口や家庭相談センターなどの関係機関からの紹介が一番多く52.5%、次いで、直接来所される方が27.8%となっております。相談の内容は、収入・生活費のことが22.4%と一番多く、次いで、仕事探しや就職についてが18.4%、住まいについてが16.0%で続いております。これらのことから、50歳を過ぎて失業してしまい、再就職先が決まらず生活に行き詰まり、港区生活・就労支援センターへの相談に至るケースが多くなっているということで、このようになっております。 ○委員(杉浦のりお君) 次に、成果についてお伺いいたします。港区生活・就労支援センターにはハローワーク品川の常設窓口である、みなとジョブスポットが併設されており、就労に結びつきやすい環境が整っていると思います。そこで伺いますが、相談者の方で就労に結びついた方はどれぐらいおりますでしょうか。お聞かせください。 ○生活福祉調整課長芝地区総合支所生活福祉担当課長兼務(伊藤忠彦君) 港区生活・就労支援センターが平成27年1月に開設以来、平成27年度末までの15カ月で新規相談者は358名あり、そのうち61名が就職しました。61名の就職のうち、みなとジョブスポットと連携して就職に結びついた方は50名で、全体の8割強を占めており、みなとジョブスポットとの連携による成果が数字にあらわれております。 ○委員(杉浦のりお君) 最後に、港区生活・就労支援センターは、昨年の1月からですから開設して1年半以上経過しているわけです。新たに課題が見えてきたと思いますけれども、今後の課題についてお聞かせください。 ○生活福祉調整課長芝地区総合支所生活福祉担当課長兼務(伊藤忠彦君) 港区生活・就労支援センターでは、長期間就労されていない方などに対し、一般企業などへの就労に向け知識や技術の習得を促す就労準備支援事業を実施していますが、そのうちの就労体験の機会を提供する就労体験プログラムにつきましては、重要な過程となっているところです。現在のところ、施設における清掃などの軽作業や雑務など、限られた内容での就労体験プログラムしか提供できていないことから、今後、就労意欲を喚起し、さまざまな業種や職種への就労を促すためにも、求職者の要望に合わせたプログラム内容を用意していくことが課題となっております。 ○委員(杉浦のりお君) 今後は、求職者の要望がかなえられるよう、さまざまな業種や職種の就労体験プログラムの内容にしていただき、生活困窮者を1人でも多く救っていただくことをお願いいたしまして質問を終わります。 ○委員長(大滝実君) 杉浦委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(大滝実君) 次に、二島委員。 ○委員(二島豊司君) 児童相談所の設置についてお伺いさせていただきます。  児童相談所の移管については、東京都と区の間での協議がなかなか進捗が見られない状況がずっと続いてまいりました。ことし5月、改正児童福祉法が成立し、これまでの経緯からすると唐突とも思える、特別区による児童相談所の設置が盛り込まれました。これは、塩崎厚生労働大臣の強力なリーダーシップが発揮されたということに加えまして、特別区長会側からの働きかけもあって児童福祉法の改正に至ったということを伺っております。改正児童福祉法施行後5年を目途に、国は児童相談所設置に係る支援を行うことが規定されていますので、近い将来、港区立の児童相談所が設置された暁には、港区の児童福祉行政がさらにきめ細やかなものへの前進することとなりましょうから、今から大きな期待を抱いているところであります。  当然、これまでも、児童虐待の発生予防や発生時の対応など家庭支援や要保護児童へのケアに関しては、子ども家庭支援センターが児童相談所とも連携し実施してきたところであります。この点は、児童相談所が港区に設置されたとしても、常に現場としてはこれまで重ねてきたノウハウやネットワークを生かすことができるものと思います。  一方、今回の児童福祉法の改正では、親元で生活できない子どもが家庭と同じような環境で養育されるように国や自治体が対応することが明記され、具体策の1つとして、児童相談所の業務に里親の支援や養子縁組の利用促進に向けた相談などが加わったとのことです。この点に関しては、新たに制度構築していく際に検討を要する余地が大きいのではないかと思っております。非虐待児童の自立について、現行制度の確認と、今後、港区が児童相談所設置を進めていく上での方向性についてお伺いさせていただきたいと思います。  東京都では、さまざまな事情によって家庭で暮らすことのできない子どもたちを養育する仕組みをつくっていますが、現行の家庭養護にはどのような制度があるか、また、養育里親と養子縁組との主な違いについてお伺いさせていただきます。 ○子ども家庭支援センター所長(保志幸子君) 社会的養護のうち、より家庭に近い環境で子どもを育てる家庭養護には、里親制度と、養育者の住居で5名から6名の子どもを養育するファミリーサポートホームがあります。この里親制度にはさらに幾つか分類がありまして、養子縁組を目的とせずに一定期間子どもを養育する養育里親──東京都ではこれを養育家庭と呼んでいます。そのほか、専門的な援助を必要とする専門養育家庭、それから親族による養育である親族里親、それから養子縁組を目的とした養子縁組里親などがあります。二島委員ご質問の養育里親と養子縁組里親の最も大きな違いは、里親委託後に子どもが養育者の戸籍に入るかどうかです。  東京都の場合、養育家庭の申込条件は、25歳以上65歳までを原則とし、主たる養育者を補助できる家族がいることや、子育て経験または保育士等の資格があることを定めています。一方、養子縁組里親の場合は、25歳以上50歳未満の婚姻関係にある夫婦であることが条件です。子どもが6歳未満の場合には、特別養子縁組の申し立てができまして、家庭裁判所の調査を経て、戸籍上に長男、長女などの記載がなされます。現在、東京都が扱う養子縁組は、原則としてこの特別養子縁組です。  本年5月に成立した児童福祉法等の一部を改正する法律により、養子縁組里親が法定化されまして、研修の義務づけや名簿登録制、欠格要件などが規定されました。現在、国では、新たな社会的養育の在り方に関する検討会や、特別養子縁組制度の利用促進の在り方に関する検討会が開催されており、区としても今後の児童相談所設置に向け、この動向を注視してまいります。 ○委員(二島豊司君) 里親と一口に言っても、いろいろなケースがあって、また、よく混同されるのですが、里親とはあくまでも、実親がおられて、実親が面倒を見られないその間、面倒を公にかわって見るという状況のものであります。当然のことながら、実親が面倒を見られる環境が整えば、里親から実家庭へお戻りになるし、18歳になれば自動的に任期が満了して、里親・里子の関係ではなくなってくるということであります。きのうも出ましたけれども、よく犬や猫の里親探しなどありますが、このケースでいうと、どちらかというと養子縁組であって、面倒を見てくれる人が誰も将来的にもいないペットを飼ってくれる人を探すということであって、あくまでも一時的に面倒を見ることができないお子さんの面倒を社会にかわって見てあげるのがこの里親の制度です。かなり端折っているので若干の足りない部分はあるかもしれませんが、そのような制度になろうかと思っております。  今後、区が主体となって里親支援を実施できるようになった際のメリットなどについて、お伺いさせていただきます。 ○子ども家庭支援センター所長(保志幸子君) 区が児童相談所を設置した後は、里親登録申請の受付や研修、実習、認定、子どもとの引き合わせ、児童福祉審議会での審議、里親委託を、区民に身近な区が進めていくことになります。子どもにとっては、同じ学校に通学するなど、環境を大きく変えることなく地域の中で暮らしていくことができます。そのためには、区内の里親の拡大が不可欠です。同時に、場合によっては離れた土地での里親委託を必要とすることも想定されることから、東京都や特別区間での連携も必要になるものと考えております。また、一時保護の際も、養育家庭に一時保護委託をすることが可能なので、一時保護所の集団生活ではなく、家庭的な雰囲気の中で生活を続けられることもメリットの1つです。  区では、児童相談所の設置を目指し、家庭養護の充実にいち早く取り組むため、今年度から子ども家庭支援センターに里親関連事業の担当者を設置いたしました。多くの皆さんに里親制度をご理解いただくとともに、里親が拡大していくよう、機会を捉えて啓発に努めてまいります。 ○委員(二島豊司君) 虐待や、親御さんが何らかのご病気であったり、面倒を見られないなど、一次的な預かりも施設ではなくて里親の有資格者の方に面倒を見ていただけるというような体制も、今の東京都の管理する児童相談所よりも、きのうの答弁にもあったように、区でやっている子ども家庭支援センターでもかなり踏み込んだ形で、里親支援ということについてもできる範囲でやっていただけているということについては認識をしております。しかし、これが区の主管ということになってくれば、またより一層、子どもたちにとっても、また、育てたいけれども育てられないという実親にとっても、何かしらいいものができるのではないかということを期待しております。  これだけ虐待等々で保護されるお子さんがおられて、施設に入らざるを得ないという子どもがいる一方で、里親になりたい、または不妊治療の助成申請も今すごく多く、子どもが欲しいという方もおられるし、親を必要とする子どもがいる、そのマッチングを区が担っていただけるようなことになれば、少しでもそれが増えていけばいいだろうと思っております。  この間、事件があって、養子縁組をするのに100万円取って逮捕された人がいるのですが、100万円を払ってでも養子縁組を、しかも裏業者みたいな人とわかっていても子どもが欲しいと思われる方もいらっしゃると。そのような方たちにとって、公の児童相談所が身近になることによって、より救われるという体制が、少なくとも向こう5年間のあいだに整うということでありましょうから、大変期待をしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、障害者の支援施策、特に移動ということについてお伺いさせていただきます。  平成26年9月に、区では新たな港区バリアフリー基本構想を策定いたしました。それに伴い、浜松町駅、赤坂駅、六本木駅、白金高輪駅、田町駅と、各地区総合支所を中心とした5つの重点整備地区について、駅や道路、公園、建築物の施設設置管理者等が、港区バリアフリー基本構想に基づきバリアフリー化の事業を一体的かつ計画的に進めるため、区は平成27年3月に港区バリアフリー基本構想特定事業計画を取りまとめ策定いたしました。港区バリアフリー基本構想や特定事業計画の策定に至る過程では、各障害者団体等の代表者の方などもかかわっておられると思いますが、これは大もとが、平成18年に施行された高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー新法に基づくものであるため、どうしてもハード面の整備に重点が置かれております。  しかしながら、本年8月15日、東京メトロ銀座線青山一丁目駅では盲導犬を連れた視覚障害者の方が線路に転落して亡くなるという事故が発生してしまいました。点字ブロックが並び、段差が解消しても、その整備に関与するのが、目は見えてみずからの足で歩けるという方々だけで、実際に移動に不自由さを抱えている方の声が反映されなくては、また同じ悲劇が繰り返されてしまうかもしれません。  リオデジャネイロパラリンピック競技大会が大変な盛り上がりのうちに終了し、次は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会となります。区内の移動に関して、車椅子利用者や視覚障害者の皆さんの生の声を取り入れたバリアフリーマップの作成に取り組むべきと考えますが、お考えを伺います。 ○保健福祉課長(西田京子君) 区は、区内の公共施設や店舗等のバリアフリー情報を港区バリアフリータウンマップとしてまとめ、平成14年3月からインターネット上で公開しております。しかし、公開から14年がたち、地図情報が古いことや情報の検索機能が少ないことなどの課題があるため、平成29年4月のリニューアルに向けて、現在、再構築作業を進めております。リニューアルにあたりましては、障害者団体や高齢者団体等の方々の生の声を取り入れるため、個別にヒアリングや操作デモンストレーションを行い、音声案内等の機能についてご意見やご要望などをいただきました。今後、これらのご意見やご要望等を十分に踏まえ、障害者や高齢者の皆様が使いやすいバリアフリーマップの作成を進めてまいります。 ○委員(二島豊司君) リニューアルしていただけるということなので、よろしくお願いいたします。また、障害者の方をサポートされている方に向けた注意点や、たまたまその場に居合わせたような方が、白杖をつかれていたり車椅子で移動されていたりという方に声かけがしやすくなるような工夫を加えて、広く周知を図ってはいかがかと思っておりますが、お伺いいたします。 ○障害者福祉課長(加茂信行君) 区では、障害がある人に、障害の状態や援助してほしい内容などを記載できるヘルプカードを配布し、その普及に努めております。このヘルプカードに書かれている内容に沿って支援者や周囲の人が援助することで、障害のある方にとって適切な支援を行うことができます。また、障害のある人がヘルプカードが周囲の人から見えるように身につけていることで、周囲の人も、困っていることがないかと声をかけやすくなります。区としては、今回のような痛ましい事故が二度と繰り返されることがないよう、障害者のヘルプカードの普及をさらに図っていくとともに、区民向けのシンポジウムや講演会等の機会を捉え、障害者への配慮について啓発し、障害のある人もない人も安心して暮らすことのできる社会の実現に取り組んでまいります。 ○委員(二島豊司君) 特に1人で移動されている方、車椅子で移動されている方も、最近はバッテリーがよくなったのか、多く見受けるような気がしております。お声かけしたほうがいいかと思う反面、見たところは移動に不便を感じてなさそうなので、あまり余計なことを脇から口を出してもあれかなと思ったり、迷うところがあったりするわけです。例えば今回の東京メトロ銀座線青山一丁目駅での事故みたいに、柱が出っ張っているなどというのは、我々は、ホームが狭くなっているなというぐらいでそれほど気にならないのです。例えばそのような箇所では、特に目の不自由な方が近くにいたら気にしてください、または、柱がありますよとお声かけをしてください、みたいなものがあればスムーズにできると思います。また、ホームドアはぜひ、窓口になるのはきっと街づくり支援部だとは思いますけれども、区内にはJRの駅も地下鉄の駅もたくさんありますので、早期整備されるような働きかけは各方面からしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上です。 ○委員長(大滝実君) 二島委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(大滝実君) 次に、なかまえ委員。 ○委員(なかまえ由紀君) 地域包括ケアに関しては、大勢の方が質問されましたので取りやめさせていただきまして、成年後見制度についてお伺いいたします。  地域包括ケアシステムの目標年度とされている平成37年度には、団塊の世代が75歳になります。そのころには高齢者の約4人に1人が認知症またはその予備軍となり、認知症高齢者の数は約700万人にまで増加すると言われています。認知症になると、買い物などの日常生活だけでなく、遺言などさまざまな法律行為にも支障を来すことになります。そのような認知症高齢者の支援策として設けられた制度が成年後見制度です。判断能力が十分でない高齢者のために援助者を選任し、高齢者の法律行為を補助する制度です。スタートは介護保険制度と同じ平成12年で、開始してから16年がたつことになりますけれども、高齢者の数が増加しているにもかかわらず、利用件数が低迷しています。必要としている方の利用に結びつくように、制度の浸透を含め課題の解決が待たれているところです。  昨年の申立人の数は、高齢者本人の子どもが最も多く全体の約3割、次いで市区町村長17.3%、兄弟姉妹13.7%の順となっています。近年、市区町村長による申し立てが増えてきており、これは、ひとり暮らし高齢者の増加や核家族化、高齢者の貧困などが背景にあるとされています。そして、成年後見人と本人との関係を見ますと、配偶者、子ども、兄弟姉妹などの親族が後見人として選任されたケースが全体の約3割で、昨年と比べ6%減少する一方で、弁護士、司法書士、社会福祉士など親族以外の第三者が選任されるケースが増えており約7割となっています。  ことしの5月、成年後見制度の利用の促進に関する法律が施行されました。その中で、成年後見制度の理念の尊重、地域の需要に対応した成年後見制度の利用の促進、成年後見制度の利用に関する体制の整備、この3点が基本理念として掲げられています。地域の需要に対応した成年後見制度の利用の促進というのは、すなわち市民後見人の確保・育成のことです。弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職だけでは、増え続けるニーズに対応できないと国も考えており、市民後見人の育成に力を入れていくということです。  認知症高齢者の増加が見込まれる中、専門職だけでなく市民後見人の活躍に期待されています。市民後見人は、相互に支え合い、助け合う仕組みとして、地域包括ケアシステムにとっても欠かすことのできないものです。都市部では、高齢者の数の増大だけではなく、単身化の増大も並行して見込まれ、成年後見制度のニーズが爆発的に増えると言われております。専門職による後見とあわせて、支援を必要とする人を地域で支える仕組みとして市民後見人の育成事業の充実が急務となっています。  そこで、初めにお伺いいたします。市民後見人は地域福祉の新たな担い手として期待されており、制度の周知を図りながら広く人材を地域に求めるということになっていきますが、現状はどのようになっているのでしょうか。お答えをお願いいたします。 ○保健福祉課長(西田京子君) 区では、港区社会福祉協議会による成年後見利用支援センターの事業費等の財政援助を行い、市民後見人と言われる社会貢献型後見人の育成を促進しています。港区社会福祉協議会が社会貢献型後見人候補者を公募する際には、成年後見制度に関する周知・啓発記事とあわせて、広報みなとや区ホームページなどに掲載するとともに、区有施設での案内チラシを配布するなど、広く周知するよう努めております。また、港区社会福祉協議会による区民講演会の開催や出前講座のPRを支援しています。今後も引き続き、成年後見制度の周知・促進に取り組んでまいります。 ○委員(なかまえ由紀君) 次にお伺いいたします。首長による申し立てが増え、制度を支えるのが自治体頼みとなってきているという実情もあります。首長申し立ての増加は、孤立した高齢者が増えていることのあらわれでもあり、都心部で顕著です。この首長申し立ての港区における状況はいかがでしょうか、お伺いします。 ○麻布地区総合支所区民課長(木下典子君) 高齢者等が認知症等で判断能力に欠け、二親等以内の親族がいない場合などには、区長が認知症高齢者等にかわって家庭裁判所に成年後見等審判申立てを行っております。港区における、この成年後見等審判申立て件数は、平成27年度が35件で、5年前の平成22年度の4件に比べ8倍以上に増加しております。 ○委員(なかまえ由紀君) 成年後見制度は、本来、活用が必要な人々に比べて実際の利用者が少ないと言われております。先ほどお伺いしたところですと、平成22年度に比べて平成27年度は4件から35件へと増えてはいるわけですけれども、周知も少しずつ進んできているということは感じますが、やはり、必要な人々に比べて実際の利用件数が非常に少ないと思っております。後見が必要な人を把握する体制は、現在どのように整えられているのでしょうか。あわせて、区内における今後の対象者の見込みをどのように予測され、また、それに対してどのぐらいの数の市民後見人の育成を目指していらっしゃるのか、お願いいたします。 ○保健福祉課長(西田京子君) 成年後見制度の利用が必要な人については、港区社会福祉協議会が運営する成年後見に関する相談や、後見人候補者等の紹介等を行っている成年後見利用支援センターや高齢者相談センターと連携し、それぞれの機関が収集した情報を共有していくことで実態の把握に取り組んでおります。成年後見利用支援センターにおける成年後見人等候補者の紹介数は、平成22年度は延べ4件で、5年後の平成27年度は延べ71件でした。また、先ほど麻布地区総合支所区民課長の答弁にありましたように、区長による成年後見等審判申立て件数についても増加しております。  このような傾向を踏まえると、区の高齢者人口の増加が見込まれる中、今後、認知症高齢者などの増加により、成年後見制度を利用される方も増加するものと見込んでおります。また、今後の市民後見人の育成規模につきましては、社会貢献型後見人等候補者の育成に取り組んでいる港区社会福祉協議会とともに、成年後見制度の利用者数の増加見込みを踏まえ、検討してまいります。 ○委員(なかまえ由紀君) 成年後見制度だけではなくて、地域包括ケアシステムや介護保険制度など、福祉におけるさまざまなところで地域の人材を育てる、生かすということに力点や期待が置かれていると感じます。しかし、国を含めて行政の財政負担を減らすために、何でも地域に課題解決が丸投げされ、負担が押しつけられるという構図となってしまっては、システム自体が成り立たないと思います。地域で支えるということにおいては、ボランティアに頼るのではなく、報酬を含め基盤整備をしっかりとしていただきたいと思います。  終わります。 ○委員長(大滝実君) なかまえ委員の発言は終わりました。  この際、お諮りいたします。議事の運営上、時間をあらかじめ延長したいと思いますが、ご異議ありませんか。                (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○委員長(大滝実君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(大滝実君) 次に、池田こうじ委員。 ○委員(池田こうじ君) 私が長年、移管について、移管をしないといけないと言ったのは、1つはスポーツ行政です。これはこの款ではないのですが。教育委員会から区長部局に移したほうが、福祉や地域や産業振興に寄与するスポーツの可能性を広げるということで、それを検討していただいて。今や、23区でも少数派になってしまったのですが、教育委員会がやっているようです。  それは置いておいて、もう1点が、先ほど二島委員からもありました、児童相談所の移管であります。これは東京都から区ということでございます。調べてみたら、平成20年度第4回定例会で私、初めて移管について話をしていたということで、随分長い間やっておりました。この移管について、背景を考えてみると、今、東京都でいえば子ども家庭支援センターと児童相談所の相談件数が大体半々ぐらいです。ですから、今は2つの窓口があって非常にわかりにくい。子ども家庭支援センターで法的処置になると児童相談所へ送ったりしていると、特に児童虐待などは緊急の事態がありますから、タイムロスも生じますし温度差も出てくる。何より責任が結構曖昧になっていますよね、二元ですから。総合的なアプローチもできないし、これはやはり移管を早くすべきだと話をしていたと思います。  何より、児童相談所と子ども家庭支援センターのはざまに抜け落ちる子どもたちのケースを結構見てきましたし、ありました。そのような意味で、地元の区に児童相談所ができるというのは、子どもたちにとって非常に重要なことでありますし、早く進めてほしいという話をしてきました。区長は、区に児童相談所を設立するということに非常に意欲的であったかと思います。平成25年第4回定例会では、区として一体となって児童相談所の移管について取り組んでいくと、代表質問の質疑で答弁なさっております。それに基づいて、私も随分、子ども家庭支援センターの体制強化については質疑を申し上げましたが、いろいろな意味で体制の拡充をされてこられたと思っています。  23区で考えますと、港区みたいに、そのようなことを想定して体制整備をして来なかったところは、慎重論などもあって、東京都とも事務移管のやりとりでなかなかうまく進まなかったと。でも、先ほど二島委員から、結構唐突みたいな話がありましたけれども、確かに唐突なのですが、今の急増する児童虐待の数や、親と子どもの多様な問題を考えれば、特別区に児童相談所を設けるというのは、これはもう急務だという判断で、国が今回この5月に児童福祉法等の一部を改正する法律を成立させたわけであります。  そのようなわけで、今回、この1点について、二島委員とは違う観点で、幾つかお伺いしたいと思っています。  まず、児童相談所に送致する案件も含めて、今やっている要保護児童等に関する事案を全て、これから区でやっていかなくてはいけないということで、現状の把握・分析は必須だと思っています。特に気になる点を何点かお伺いしたいのですけれども、まず、虐待相談についてです。これも前からずっと急増しているのですが、やはりいまだに急増していると。平成25年度の195件が、平成27年度は478件と、300件超えたといってびっくりしたら、もう今は500件近くになっています。そのあたりの相談内容を含めて急増の原因や、区の分析や見解をお伺いしたいと思います。 ○子ども家庭支援センター所長(保志幸子君) 平成27年度の新規相談受理件数926件のうち、今、ご紹介がありましたように虐待相談は478件で、これまでの子ども家庭支援センターの歴史上初めて、虐待相談が半数を超えました。この件数は、平成26年度の1.3倍、平成24年度の約3倍です。虐待件数の増加の要因といたしましては、もちろん社会全体に児童虐待から子どもを守ろうという機運が高まってきたこと、そして港区要保護児童対策地域協議会の各関係機関の連携の充実と支援力の向上により、虐待を見逃さない目が広く養われてきていることが一番の原因だと思います。警察署による積極的な虐待対応も、新たな問題の発見につながっています。  ここ数年の虐待対応を通して感じることは、乳幼児の虐待通告は相変わらず多いものの、重篤なケースは少なくなってきている印象があります。子どもに関係する施設や機関の努力により、支援を必要とする家庭の早期発見と丁寧な相談支援が行われているものと分析しています。その反面、小学校高学年から中学生の虐待相談が増えてきています。親の教育要求が子どもの能力や希望と食い違っていたり、子どもの自立心の芽生えに親が対応を十分し切れないということから、虐待につながってしまうケースが多くなっています。身体的虐待だけでなく、心理的虐待やネグレクトから、子ども自身の決断により保護を望むケースもこのところ続いていまして、子どもへの直接的な相談支援が、今、非常に求められていると感じています。子ども家庭支援センターでも現在、子ども向けリーフレットを作成中で、悩み事の相談先や子ども自身の持つ権利について啓発していく予定です。 ○委員(池田こうじ君) しっかり分析をして、区立版の児童相談所の設立に寄与していただきたいと思っています。  あと、現状の把握ということで、2点まとめてお伺いしますけれども、みなと子ども相談ねっとは、あまり件数が増えていないように思うのですが、その内容ですね。インターネットで相談するというのは、ある意味、最後のとりでというか、本当の今の港区の子どもたちの現状を把握する上で非常に重要な事業だと思っているのです。それについて、現状、どういうものなのか、お伺いしたいと思います。  あと、いろいろデータを見ていますと、臨床心理士の相談が急増しています。これは最近の傾向なのですが、平成25年度は316件ありますね。その後は、四百七十何件かな、ガーンと増えています。これも、最近の子どもの置かれている状況、親の置かれている状況が一因だと思うのですが、そのあたりを含めて、区の分析というか、状況についてお聞かせいただきたいと思います。 ○子ども家庭支援センター所長(保志幸子君) みなと子ども相談ねっとは、平成26年6月30日にスタートいたしましたが、これまでの登録児童数は93名、やりとり総数は1,133回です。やはり女子が8割以上を占めていまして、多かったのは小学校6年生、そして中学生です。相談を始めた当初は小学生の相談が多かったのですが、昨年度から中学生の相談が非常に増えています。  多いのは、SNSや部活動などで友達とトラブルがあったこと、または親子関係などです。特に中学生・高校生の相談は、親との非常に攻撃的なやりとりがあったことや、逆に、自分が認めてもらえないつらさ、勉強や部活動の意欲が最近低下して悩んでいる、または、まちを徘徊する交友関係ができて、そこからなかなか抜け出せないというようなこともありました。自分自身への疑問を抱えながら人間関係や将来の選択に悩み、みなと子ども相談ねっとを利用していることが伝わってきます。匿名であるからこそ本音を表現できる子どもたちが多くいます。1人で悩んでいる子どもたち一人ひとりの気持ちに寄り添って、一緒に解決方法を考えているのですけれども、なかなか簡単には解決できないことも多く、やはり継続が重要だと感じています。  臨床心理士は、子ども家庭支援センターが委託をしていまして、保護者が申し込みをすればどなたでも受けられる相談なのですが、非常に増加しています。平成27年度は556件になりました。家族やみずからの問題を心理の専門家に相談したいと考える方が多いということです。相談内容もこの何年かでやはり少し変化がありました。乳幼児の育児やしつけの相談が最初は非常に多かったのですが、少し減っていまして、小学校高学年から中学生の思春期の問題、不登校、親自身の成育歴や心の問題、または夫婦関係、子どもとの関係性についての相談が非常に増えています。医療機関などでの相談には少し躊躇があるという場合でも、子育ての総合相談をしているところで気軽に、敷居が低く利用できるということで多くの方がいらっしゃっているものと思います。問題が深刻化する前に支援につなげることもできますので、この臨床心理士の相談は非常に重要な役割を持っていると思っています。 ○委員(池田こうじ君) 非常に多様なケースが増えてきたということですね。それで、件数自体も増えてきたということです。このあたりの現状分析をよくされて、児童相談所の設立にあたっていろいろ検討していただきたいと思っています。児童相談所を設立するとなると、児童養護施設や、一時保護所もできれば区で設置をするべきだと私は思っておりますし、関係諸機関とのいろいろな連携、また庁内のいろいろな連携も進めていかなくてはいけないと思っています。  今、港区では、児童相談所の移管の検討委員会を設置いたしまして、田中副区長が委員長ということでございますけれども、強力に、そこがある一定の権限を持って、推進力を持って進めていかないと、なかなか設立には至らないと思うわけでありますが、その検討委員会の検討課題を含めて、強力に進めていってほしいということについてお伺いしたいことが1点です。  あと、今回の児童福祉法の改正にあたって、18歳以上の子どもたちの要保護児童の支援を継続するということが示されました。平成28年度予算特別委員会でも申し上げましたけれども、児童養護施設の支援を受けている子どもたちは、普通の18歳の子どもたちとは違って支援がほとんどないのです。児童養護施設を卒園するときも、30万円も手当がないのです。家を借りたらそれでもう終わりなわけであります。大学に行くにも、進学率2割ぐらいで、本当に行くべき子どもたちが行けないと。  18歳以降の支援が、今回初めて児童福祉法の改正中で示されたわけです。現行で、港区は18歳以降の子どもたちの支援をするというのはなかなか難しいとは思うのですが、児童相談所を設立にするにあたっては、現行法の中で、手を差し伸べるべき部分には手を差し伸べなければいけないと思っております。  その2点についてお伺いしたいと思います。 ○子ども家庭支援センター所長(保志幸子君) 区は本年6月に港区児童相談所移管検討委員会を設置いたしました。この委員会は、副区長を会長とした部長級によるもので、課長級による幹事会や部会を設置し、課題を詳細に論議していく体制を備えております。現在、検討を行っている課題は、児童相談所を含む新たな児童相談体制のあり方、児童相談所設置市事務の実施方法、児童相談所及び一時保護所の職員確保・人材育成策、一時保護所の持ち方、児童相談所の施設整備、社会的養護の拡充、夜間・休日対応、情報管理方法、関係機関や地域連携のあり方など、幅広い検討になっております。  今後、東京都からの情報収集やその他の自治体・専門家からの意見聴取、関係団体や機関との協議などを踏まえながら、十分に課題検討を進めていく予定です。また、これらの庁内検討とともに重要なのは、東京都との協議や特別区間での調整です。できるだけ早期に港区の児童相談所が設置できるよう、あらゆる課題に全力でひたむきに取り組んでいきたいと思います。  子ども家庭支援センターで支援を行っている児童が18歳になると、原則的には、家庭相談センターや各地区総合支所の保健師、障害担当などに、支援が途切れることがないよう引き継ぎを行っていますが、実際には、その後も保護者からの相談電話を受けることもありますし、あるいは、18歳を迎えても在学中で自立には至らないなど、なかなか就労できないケースがあるのは事実です。平成29年度4月施行の児童福祉法等の一部を改正する法律では、一時保護中または里親委託中の18歳に達した者の措置の延長が可能になりまして、二十歳まで支援ができるようになりました。今後、児童相談所設置に向け、18歳以上の要保護児童への支援策についても検討課題としまして、区として地域ぐるみで自立を支援していく体制を整備してまいります。 ○委員(池田こうじ君) 力強い意志が表示されましたので、ぜひ、もう本当に、東京都随一の児童相談所をつくってほしいと思っています。  最後に1点だけ。関西で、児童相談所をつくるのに住民の反対運動があって、テレビで報道されて、私はあまり物事に憤らないのですけれども、これ、ひどいなというものがありました。それは、キャスターも含めて、脱走者が出たらどうするのかと、児童相談所が大反対になっていました。児童相談所というのは、子どもが最後に希望を取り戻す場所であって、決して犯罪者でも何でもないわけであります。港区でつくるときも、ぜひ、児童相談所の存在意義等を含めて住民に周知しながら、子どもの最後の希望のとりででございますので、そのような周知をする中で児童相談所の設立を検討していっていただきたいと切に要望いたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。 ○委員長(大滝実君) 池田こうじ委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(大滝実君) 次に、阿部委員。 ○委員(阿部浩子君) まず最初に、避難行動要支援者についてお聞きします。  東日本大震災後、災害対策基本法が改正となり、各自治体に災害時に特に支援が必要な方を対象とした名簿を作成し、同意を得られた方一人ひとりの個別支援計画を作成することとなりました。港区でも平成27年10月から、これまでの災害時要援護者登録名簿にかわって新たな災害時避難行動要支援者登録名簿を作成しています。本会議の質問で、この災害時避難行動要支援者登録名簿の作成の進捗状況についてお聞きしました。現在、3,192名の災害時避難行動要支援者登録名簿が作成済みとされています。この災害時避難行動要支援者登録名簿は、管轄の消防署、警察署、民生委員、児童委員、町会・自治会などに提供し、災害があったときの支援に活用することになっています。災害時避難行動要支援者登録名簿が作成済みとされている3,192名のうち、災害時避難行動要支援者登録名簿の提供に同意している方はたったの800名であり、大半が災害時避難行動要支援者登録名簿の提供に同意していません。ただ、災害時に関しては、避難支援などの実施に必要な限度で、本人の同意を得てない方の名簿も提供することになっていますが、しかし、同意がないと個別支援計画は作成されません。この同意をしていない方の理由はどのようなものか、お聞きします。 ○高齢者支援課長(茂木英雄君) 災害時避難行動要支援者登録名簿に登録された方が、災害時避難行動要支援者登録名簿の提供に同意されない理由としましては、対象者ご本人の近隣にご家族や親族などがお住まいで、災害時に支援していただける人が既にいらっしゃる場合がございます。また、平常時に生活状況や障害の程度などの個人情報を警察署、消防署、高齢者相談センター等の支援関係者に提供することに抵抗感を持たれているといった理由も考えられます。さらに、制度の趣旨等が登録された方に十分に伝わっていないことも考えられます。 ○委員(阿部浩子君) 3つの理由を今お話ししていただいたのですが、災害時避難行動要支援者登録名簿の提供に同意することへの理解が進めば、災害発生時には個別支援計画が作成されておりスムーズに避難所などに避難できるのではないでしょうか。具体的に、災害時避難行動要支援者に名簿の提供の同意を進めていくには、高齢者、障害者の各所管課が防災課と連携していかなければなりません。そして、災害時避難行動要支援者だけではなく、支援をしている周りの方々にも理解を深めていかなければなりません。それぞれの担当部署のお考えをお聞きします。 ○高齢者支援課長(茂木英雄君) 区は、災害時避難行動要支援者登録名簿に登録されたご本人に対し、港区災害時避難行動要支援者登録事業の概要を説明した通知やパンフレットを送付し、制度の周知を図っております。また、ふれあい相談員による高齢者宅への訪問や高齢者相談センターでの相談の際にも、制度の紹介を行っております。今後も引き続き、支援が必要な高齢者に制度の趣旨を理解してもらい、より多くの方の同意につながるよう、さまざまな機会を通じて丁寧に制度を説明してまいります。また、各地区総合支所や防災課、保健福祉課、障害者福祉課、高齢者支援課が連携いたしまして、災害時に安否確認や避難支援をしていただく町会・自治会、民生委員、児童委員、ケアマネジャーや訪問介護事業所等への制度のさらなる周知に努め、制度の理解を深めていただくことで、避難時の支援についてのご協力を求めてまいります。 ○障害者福祉課長(加茂信行君) 災害時避難行動要支援者登録名簿に登録された障害のある方に対しましては、高齢者と同様に、港区災害時避難行動要支援者登録事業の概要を説明したパンフレット等を送付し、制度の周知に努めております。また、障害者団体や障害者施設の家族会等にさまざまな機会を通じて丁寧に制度の説明を行うことで、より多くの方の同意につながるよう取り組んでおります。また、町会・自治会や民生委員・児童委員等の方々に加え、日ごろ障害のある方の支援を行っている障害福祉サービス事業者にも、制度について理解を深めていただくよう丁寧に説明するとともに、避難時の支援について協力を求めてまいります。 ○委員(阿部浩子君) 理解を深めていかれるということですが、災害時に避難行動要支援者の命を確実に守っていくためには、1人でも多くの方々の災害時避難行動要支援者登録名簿の提供の同意を得なければならないです。先ほど、平成27年10月から登録対象者を見直ししているということでしたので、3,192名からさらに対象者が増えるということになります。その中で対象者の同意を得ている800名のうち、個別支援計画はまだ63名分しかできていません。いつ起こるかわからない災害に備えて、個別支援計画の作成も急いで進めていかなければなりません。そのためには、人的・金銭的な予算確保が必要です。これらのことを要望させていただき、1日も早く個別支援計画の策定をし、支援関係者の方々と共有していただき、災害時の避難支援につなげてほしいということをお願いいたします。
     次に、子どもの貧困対策について質問いたします。  ことし7月から8月にかけて、聞き取り調査を行っております。現在、結果を集計しているそうですが、聞き取り調査の中で切実な状況など、ご紹介できることがあればお知らせください。 ○生活福祉調整課長芝地区総合支所生活福祉担当課長兼務(伊藤忠彦君) 港区子どもの未来応援施策基礎調査において、平成28年7月から8月にかけて関係機関等からのヒアリングを15カ所で実施しました。ひとり親家庭では、生活費や食費を切り詰めた生活をしており、そのような経済状況から、子どもは我慢すること、諦めることが当たり前の考え方となってしまい、学業への意欲がなくなり、頑張っても無駄と考えてしまうという事例がありました。また、両親のいる家庭で、父親が就労せず、一方、母親は成人疾患を有していることから、夫婦間の関係が悪くけんかが絶えないため、子どもたちに落ち着ける場所がないことや、長男が弟妹の面倒を見るために学校を休むことにより、学習面でおくれがちであるという事例がありました。さらに、父母ともに就労しており、経済的な問題はなかったのですが、家庭環境が不衛生で頭じらみが発生など、子どもの衛生面で問題があり、また室内が片づけられずに物があふれ、学習スペースがなく学習面で心配であるという事例がありました。 ○委員(阿部浩子君) 聞き取り調査をされたということは、さまざまな事例がわかって、本当に、より深刻だと実感をしております。長野県の子どもの声のアンケートでは、将来なりたい職業について、子どもの声を自由記入でオーケストラで活躍することが夢の子どもがいました。中学校1年生です。お金がないから将来に夢はかなわない。お母さんが入院したとき、家にずっと1人で、困ったけど誰も助けてくれなかった。もしお母さんが死んでしまったら、高校にも行けないと思う。お父さんは、手紙を出しても何もくれないし、返事もない。お母さんは、仕事をしても、私の学校の用事で学校を休むと嫌な顔をされてしまい、すぐに会社をやめてしまう。かわいそうだから、学校に来なくてもいいように、参観日や役員をなくしてほしいと。このような切実な声もあれば、今の港区の聞き取り調査でわかった多くの声があると思います。すごく有効だったと私は感じました。  港区では、平成26年2月に港区政策創造研究所で行った、港区における子どもと子育て家庭の生活と意識に関する調査報告書からも、世帯収入が200万円未満が2.9%、200万円から300万円が3.28%、300万円以下の方は6.18%です。平成26年3月の港区保健福祉基礎調査報告書3では、子育て全般に関する経済的負担は、就学前児童保護者で、かなり負担に感じるが14.3%、小学生保護者では20.6%、中学生保護者では26.4%です。また、250万円未満の年収は、就学前保護者で2.8%、小学生保護者で3.2%、中学生保護者で3.9%です。ひとり親家庭は、1カ月の収入が20万円未満の家庭が58.4%です。15万円未満では38.1%です。これは働いている方の収入です。ひとり親家庭の貧困率は54.6%とされているので、港区のひとり親家庭の20万円の収入もない方の数値に近くなっています。日本の母子家庭の平均年収は223万円。港区は全国のどこよりも物価が高いです。ひとり親家庭の方にとっては半分の方々が月の20万円に満たないということを見逃してはならないと思います。  各調査からも、手当の充実を求める意見が多いですが、ことし3月に策定した港区子どもの未来応援施策の方向性についてでは、教育・学習の支援、生活環境の支援、保護者に対する就労の支援、経済安定の支援、4つの支援が必要と掲げられています。そこで、経済的支援についても現在のところ検討されているのかどうか、お聞きします。 ○生活福祉調整課長芝地区総合支所生活福祉担当課長兼務(伊藤忠彦君) 区では現在、経済的支援についても、経済的安定の支援として4つの必要な支援のうちの1つに掲げ、重要な施策と認識しており、さまざまな角度から子どもの未来応援施策を検討しています。今後も、子どもの育成を阻害する原因を、経済的な面はもちろん、それ以外のさまざまな角度から把握し、港区の特性を踏まえた取り組みを全庁を挙げて推進してまいります。 ○委員(阿部浩子君) お願いいたします。港区では、ひとり親家庭に対してもさまざまな支援をしています。ひとり親家庭医療費助成、ひとり親家庭休養ホーム事業、ひとり親家庭ホームヘルプサービス等々です。これらの事業も継続して行っていく必要があります。あわせて、経済的に厳しい方々には、給付という形の支援策も必要です。区としても、経済的支援の充実をお願いいたします。  また、子どもの貧困を解決するには、親の支援が欠かせません。貧困と一くくりに言っても、経済的に厳しい状況は以前と違って見えにくくなっています。つまり、衣服や持ち物ではわからないということです。先日、NHKで放送された子どもの貧困問題に出た家庭の中学生に対し、やらせではないかという声が国会議員からもありました。今、スマートフォンをみんなが持っているため、食べることを我慢しても買い与えている家庭もあるということです。例えば経済状況が厳しい家庭では、病気になると医療費がかかることで、重篤な状況になるまで市販の薬で我慢する、また、虫歯があっても治療していないなどがありますが、港区の場合、子ども医療費助成制度があることで、子育て世代は随分助けられています。  貧困問題は経済的問題だけではなく、両親が仕事で働いているため、1人でご飯を買って食べている子ども、兄弟が多く子育てに疲れている家庭、それぞれの家庭がさまざまな問題を抱えているケースがあります。経済的、時間的、心理的な問題、このような一つひとつの問題を解決していくことが、子どもの未来の真の応援になるのではないでしょうか。その中でも早急に行政として手を差し伸べるべきは、経済的に厳しい家庭です。子どもたちの未来を真に応援していくには、それなりの金銭的・人的経費が必要です。港区ならではの、子どもの貧困対策をしっかり進めていただきたいということを強くお願いいたします。  先日、ある幼稚園に視察に行ったときに、夏休みの様子を描いた子どもたちの絵がありました。家族で海外旅行に行ったときの様子を描いている絵がありました。多数の子どもたちは家族旅行の絵を描いていました。しかし、その中には、家族旅行の絵ではない子どももいました。私はその家庭の背景はわかりませんが、もし旅行に行けない子どもがいたとしたら、先ほどの、生活福祉調整課長がおっしゃっていた、ヒアリングして、頑張っても難しいという子どもの話もありましたが、子どもが自己否定になるのではないかと思いました。  そこで、子育て王国基金の活用についてお聞きします。総務費の款でも触れさせていただきましたが、今年度から港区子育て王国基金の所管が人権・男女平等参画担当から子ども家庭課に移行しました。港区子育て王国基金は、平成16年度に10億円から開始し、平成24年度からあまり活用されていません。平成26年度に新たに50億円の港区子育て王国基金を積みましたが、平成27年度・28年度と、既存の事業しか活用されず、平成27年度の港区子育て王国基金の残高は50億円余りです。この港区子育て王国基金を子ども家庭課が中心となって、緊急性が高い事業に積極的に活用すべきです。  そこで、緊急的に解決していく課題は子どもの貧困対策です。子どもの未来応援施策の充実に活用していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○子ども家庭課長(長谷川浩義君) 港区子育て王国基金は、仕事と子育ての両立を支援するとともに、子どもたちの健やかな育ちを支えるための事業に要する経費の財源に充てるために設けている基金であり、緊急的・臨時的な事業等を実施する際の財源として活用してまいりました。平成27年度は、各地区総合支所で実施する子育て支援事業や、本年3月からサービスを開始しました出産・子育て応援メール配信事業の財源に充てております。今後も、子ども・子育て支援策や子どもの未来応援施策を推進していくための財源については、港区子育て王国基金の積極的な活用を検討し、効果的に事業を推進してまいります。 ○委員(阿部浩子君) 期待しております。よろしくお願いいたします。  港区子育て王国基金ですが、先ほどもご紹介があったとおり、地域ぐるみで子育てと仕事の両立を支援するとともに、子どもたちの健やかな育ちを支えるための事業に要する経費の財源に充てるための経費と条例で定められています。この港区子育て王国基金を開始したときは、港区の合計特殊出生率は0.78で、今年度の直近では1.44と大幅に改善しています。平成16年3月19日に制定され、4月1日に施行された港区子育て王国基金は、港区を子育て王国にしようという思いから名づけられた基金ではないでしょうか。平成16年6月に武井区長が区長に就任されてから、子育てするなら港区とされ、さまざまな子育て施策を打ち出し、年少人口を増やしてきました。  最近では、子育て王国の言葉すら港区から消えてしまっているように思います。予算書には子育て王国基金充当と掲載されるだけになってしまいました。50億円の港区子育て王国基金を積んでいるのだから、積極的に子育て王国を発信していくのか、または区長が使っている子育てするなら港区を使用して、基金名を新たに子育てするなら港区基金と条例改正するか、どちらにしても統一性があり、子育てに力を入れている自治体、港区をアピールすることが必要ではないでしょうか。ぜひ、一度、担当課として庁内でご検討いただければと思います。  そこで、子育て施策についてお聞きします。今年度も出生率が増加し、今後も年少人口が増え続ける港区ですが、平成26年度は23区で一番で、平成27年度もさらに増加した合計特殊出生率について、今までの施策の効果と考えますが、区のお考えはいかがでしょうか。今後とも、子育てするなら港区として充実した施策を続けていくべきです。そこで、今後、港区で出産し、子育てをしたいと考えている方に向けて、これから港区ではどのようなことをお考えなのか、教えてください。 ○子ども家庭課長(長谷川浩義君) 区は、子ども・子育て支援を区政の最重要課題と位置づけ、さまざまな環境変化に対応しながら施策を推進してまいりました。平成26年度の合計特殊出生率が1.39と、江戸川区と並んで23区でトップとなり、平成27年度も1.44とさらに増加したことについては、区が推進してきた施策の実績が、子育てするなら港区と評価されたものと認識しております。区は、平成27年4月に港区子ども・子育て支援事業計画を策定し、目指す将来像である、安心して子育てができ、未来を担う全ての子どもたちが健やかに成長できる地域社会の実現に向け、計画計上しました86の事業の効果的な実施とともに、児童相談所の移管に向けた取り組みをはじめとしまして、全庁を挙げて施策を推進しております。今後も、同計画に掲げる施策の着実な推進はもとより、新たな課題や区民ニーズに迅速かつ適切に対応し、子育てするなら港区との評価がより確かなものとなるよう、全力で取り組んでまいります。 ○委員(阿部浩子君) 子育てするなら港区として、今後とも取り組んでいただきたいと思います。年少人口も増加して、合計特殊出生率も上がっていますが、先ほどからも、保育園の入園問題が取り上げられています。あらゆる資源を使って合計特殊出生率の増加に対応してほしいということを、お願いいたします。  先ほどから申し上げている子どもの貧困対策につながるのですが、今回、足立区の妊娠届をいただきました。足立区は、5カ年にわたる子どもの貧困対策実施計画を策定している自治体でもあります。この妊娠届の中にはアンケートが含まれています。それは経済的問題の把握です。港区の妊娠届もいただいてきたのですけれども、港区は、妊娠届と、アンケートのお願いと、港区コミュニティバス乗車券発行申請書をいただきました。  足立区はこの1枚なのですが、何が港区と違うのかと申し上げると、妊婦の名前を書くのは一緒なのですけれども、職業のある・なしのところに、正規か非正規か、また、足立区にどれぐらい住んでいるのかの居住年数があります。そして、アンケートのところなのですが、子どもや家族のことでお困りなことはありますか、ご家庭にたばこを吸う方がいますか、現在、あなたはお酒を飲みますかとあります。で、ここなのですが、経済的状況について伺います。安定している・まあまあ暮らせている・やりくりが大変である・苦しいとあります。で、妊娠前の身長・体重、その他心配なことがあったらご記入くださいとなっています。  養育家庭となりそうな要支援家庭の見守りも、このようなアンケートを盛り込んでいればできるのではないかと思いました。子ども家庭支援センターで行っている、妊娠中から切れ目のない支援ができるかと思います。例えば、このアンケートに、出産しても仕事を続けますか、保育園の入園を考えていますかなどと盛り込むと、1年間にどれだけの方が保育園の入園を希望しているか、実質的な数字が見えてくるのではないでしょうか。港区は、アンケートが1枚になっていて、このような紙でできているので、改善しやすいのではないかと思います。アンケートはなかなか回収率が悪いと一般的な調査で言われていますが、妊娠届を出し、母子健康手帳をもらいに来る妊婦は大きな喜びであふれていると思います。妊娠届を出すときに職員と一緒になってアンケートに答えてもらえることができるのではないでしょうか。このようなアンケートの活用も、区の施策の充実に、また区民にとって有効な方法と考えますので、ぜひご検討ください。  今回、青少年対策地区委員会の支援について質問を用意していたのですが、時間の都合上、またの機会にお願いいたします。以上で終わります。 ○委員長(大滝実君) 阿部委員の発言は終わりました。     …………………………………………………………………………………………… ○委員長(大滝実君) 次に、清原委員。 ○委員(清原和幸君) まず最初に、ひとり暮らし高齢者に対しての生活支援のあり方についてお尋ねいたします。高齢者が住み慣れた地域で自立して在宅の生活を送るため、区は地域包括ケアシステムの確立に取り組んでおります。そのため、システムの構築に必要な事項を3項目にまとめ、重要課題と位置づけ、平成29年度のモデル事業の実施に向け、現在取り組んでおられます。  3項目についてですが、医療・介護の連携の推進については、医師や歯科医師、薬剤師などの多種目の連携が必要なため、現在、区は各機関との連絡を取り合い、一つひとつの課題解決に向けて取り組んでいるとのことです。各機関との連携を取り合っているとのことですが、各専門分野の方々を1つの方向にまとめることは決して容易なことではありませんが、多くの区民が期待を寄せ、そして待ち望んでいることをお伝えいたします。  また、認知症施策の充実についても、医療・保険・福祉の専門職による対応が不可欠です。認知症初期集中支援チームの編成に向け、関係機関と協議を重ねていただきたいと思います。  生活支援サービスの充実については、具体的にはボランティア、民間企業、社会福祉法人等の多様な活動主体による、高齢者の生活を支援するサービス体制の整備、資源開発やサービス提供主体とのネットワークの構築に向けた生活支援コーディネーターの配置などの取り組みを掲げております。ボランティア、民間企業、社会福祉法人等の支援を受けることは必要なことですが、区がかかわるため、責任を持って慎重に対応していただきたいと思います。また、支援の趣旨をご理解いただくことは重要なことだと思います。趣旨等を説明する際には、丁寧に行われますよう、お願いいたします。  さて、区内の75歳以上の高齢者は平成28年9月1日現在で2万705名です。区の実態調査による平成28年1月1日時点での75歳以上の高齢者のみで構成する世帯の数は2,584世帯で、65歳以上のひとり暮らしの高齢者世帯は6,904世帯となっております。ひとり暮らしの高齢者は、買い物や緊急時の支援等に不安を抱いており、その対応が求められております。また、孤立や孤独死などを招かぬよう対策も講じなければなりません。  そこで、地域包括ケアシステムの導入後のひとり暮らし高齢者に対する生活支援の完成形がどのようなものか、お尋ねいたします。 ○地域包括ケア福祉施設整備担当課長(鈴木健君) 区ではこれまでも、ひとり暮らし高齢者等見守り推進事業や訪問電話、配食サービス、サロン活動などを通して、見守りや生活支援、孤立化の防止などを行ってきました。さらに、民生・児童委員や町会・自治会、警察署、消防署などの地域の関係機関で構成する高齢者地域支援連絡協議会での情報交換や協議により、地域での見守りや災害時の安全確保など、高齢者のセーフティーネットワークの構築を進めてきました。高齢者人口の増加が続く中、今後もひとり暮らし高齢者が増加すると予測されていることから、これまでのひとり暮らし高齢者支援の取り組みを充実させるとともに、今後配置予定の生活支援コーディネーターや、高齢者の生活支援に協力していただけるボランティアの発掘、活動メニューの多様化を行い、支援を必要とする高齢者に最適なサービスを提供できるようにしていきます。これらの生活支援サービスは、高齢者相談センターやふれあい相談員がこれまでどおり、それぞれの高齢者のニーズに合わせてご紹介し、ひとり暮らし高齢者が孤立することなく地域の中で生き生きと暮らしていけるよう、取り組んでまいります。 ○委員(清原和幸君) 地域包括ケアシステムの構築に向けては、さまざまなことをこれから協議を重ねていかなければならないと思います。粘り強く連絡を取り合って、連携を図っていただくことをお願い申し上げます。私は今、3項目を重点項目と申し上げましたけれども、できる項目から進めてもいいのではないかと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。  次に、待機児童解消に向けた取り組みについてです。  港区のゼロ歳児から5歳児までの人口は、平成25年度には1万3,705名で、平成28年度には1万5,778名で年々増加しております。また、3月に発行された港区政策創造研究所の人口推計では、この傾向は平成39年度まで続くと見込んでおります。待機児童数は平成27年4月1日に30名で、平成28年4月までに368名の定員拡大を図ったにもかかわらず、平成28年4月1日の時点で64名となりました。そのため、区は、今後の保育需要の増加も見込んで、区立しばうら保育園分園、こいくえん赤坂、港南あおぞら保育園の開設や定員の拡大に取り組んでおります。そのほかにも、開発事業者に対して、子育て支援施設の付置による容積率緩和なども行っております。  ところで、区は、待機児童解消に向けて取り組んでおりますが、なかなか解消となりません。その原因を改めて調査することも必要なのではないでしょうか。原因としては、ファミリー向けマンション建設による転入、交通性の高い利便性による転入、大病院の存在、積極的な保育施設の整備をはじめ病児保育・病後児保育事業等の体制の整備、すくすく育児相談等保護者向けサービスの推進、港区の質の高い教育等、区が展開している子ども支援策の充実に魅力を感じてファミリー層が転入されるなど、さまざまな理由が挙げられると思います。これらのことも調査して、今後の子育て環境の整備計画に反映していただきたいと思います。  さて、区は、積極的に待機児童解消に向け取り組んでいるにもかかわらず、なかなか解消されません。そこで、保育園への入園を希望する保護者が増加している要因をどのように考えているのか、お尋ねいたします。 ○保育担当課長(増田玲子君) 就学前人口に占める在園者も含めた入園希望者の割合である保育需要は、港区全体で平成23年4月は30.9%でしたが、本年4月には40.7%と大きく上昇しております。特に芝浦港南地区の保育需要は49.0%になっております。増加の要因として、大規模集合住宅建設などによる人口増や、出生数の増加を背景とした就学前児童の急増、共働き世帯の増加などが挙げられます。また、私立認可保育園の誘致や、現在の港区保育室である区独自の緊急暫定保育施設の整備による大幅な定員拡大、第2子以降の保育料無料化などの取り組みが、出生率の上昇へとつながるとともに、子どもを伴う転入者の増加につながっていると考えております。今後も、増加する保育ニーズに的確に対応し、子どもを安心して産み育てることのできる保育環境の整備を進めてまいります。 ○委員(清原和幸君) 各地区総合支所ごとに、これからも人口増が見込まれておりますので、私は、今ある保育園を建て替えをしたり、そして、建て替える際には、将来、人口増が見込まれるのが平成39年度までということですから、その後は複合施設としてさまざまな地域の福祉に結びつく事業を展開されてもいいのではないかと思います。  次に、いつでも誰でも保育園に入園できる施設整備の取り組みについてお尋ねいたします。区はこれまで、子育てするなら港区、教育を受けるなら港区を主要な課題と位置づけ、その充実に努めてきました。これらの成果が評価され、子どもの数や入園希望者が増加したと言っても過言ではないと思います。また、定員枠の拡大に取り組んでおりますが、定員については、今後の人口増や希望出生率1.8を考慮して、思い切って定員数1万人の確保に向けて取り組んでもよいのではないかと思います。  入園の申し込みについてです。申込書には港区保育利用調整基準として、基準指数、調整指数、優先順位が示されております。調整基準は、就労の状態、世帯の構成等を記入することになっていますが、社会保障制度の視点による配慮も含めて検討していただきたいと思います。出産・産休・育休と、子育て関係は社会保障制度の主なものとして、出産育児一時金、出産手当金、育児休業給付金が挙げられます。個人事業者及び専従者は出産手当金、育児休業給付金は受けられず、加えて、育児休業期間中の国民健康保険料、国民年金保険料の納付は免除されておりません。対象となるのは、出産育児一時金のみです。社会保障制度を活用できる方、社会保障制度がない方もいらっしゃいます。これらも鑑みて、調整指数や優先順位を定めていただきたいと思います。また、申し込みについては、個人事業者の中には、家族構成等により点数の上乗せができないとの理由で、そもそも申し込みをされない方もおります。このように、潜在的な需要があることも認識して、定員枠の拡大に努めていただきたいと思います。  さて、今も入園を待ち望んでいる親子がおります。保育の質の向上や認定子ども園等の議論も大切だと思いますが、いつでも誰でも保育園に入園できる環境の整備は喫緊の課題だと思います。入園を希望するご家庭は、いつでも誰でも保育園に入園できる受け入れ態勢の整備を求めております。平成28年4月1日現在では、368名の定員拡大を図ったにもかかわらず、待機児童数が64名となりました。待機児童の解消は厳しい道のりだと、改めて感じた次第です。  そこで伺います。区は、待機児童解消に向け努めておりますが、今後の保育需要に応えるために区で予定されている保育施設の整備や定員の拡大などについてお尋ねいたします。 ○保育・児童施設計画担当課長(松井義人君) 今後の定員拡大の予定につきまして、区は来年4月に向けて、港区立しばうら保育園分園の整備と私立認可園の誘致、志田町保育室などのクラス拡大で、平成29年度には66名の定員の拡大を行い、平成30年度以降も、学齢進行に合わせ新たなクラスの開設による定員拡大を予定しています。また、国家戦略特区制度を活用した区立港南緑水公園内への私立認可保育園(定員100名程度)の平成30年4月の開設を目指すとともに、元麻布二丁目用地における区立認可保育園(定員200名程度)の整備を進めています。さらに、既存区立保育園の定員の拡大をするため、保育室のレイアウト変更による保育スペースの工夫や、職員体制の見直しを現在行っております。引き続き、多様な手法により定員拡大に全力で取り組んでまいります。 ○委員(清原和幸君) ありがとうございました。以上で質問を終わります。 ○委員長(大滝実君) 清原委員の発言は終わりました。  これにて、歳出第4款民生費の質疑は終了いたしました。  以上にて、本日の審議を終了いたします。     ─────────────────────────────────── ○委員長(大滝実君) これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。                 午後 5時27分 閉会...